東の散歩道

B型ヴァイオリニストのマイペースライフ

板谷波山展

2014年05月05日 21時51分57秒 | 美術

 現在山形美術館で開催されている、板谷波山展へ行って参りました。

 板谷波山は、芸術としての焼き物を目指した近代陶芸の巨匠です。なんて、知った風なことを書きましたが、この美術展に来るまで、私が知っていたのは彼の名前だけ。つまり何も知らなかったも同然です。初めてここで作品群を見て、その凄さに圧倒されました。

 アールヌーヴォーから学んだ植物の曲線美、研究を重ねられた「窯変」が生み出す多彩な色。どれも芸術の名に恥じない見事なものです。しかし、どんなに技術研鑽を積んでも、火の具合などで、窯から出して見れば失敗作ということが数えきれずあったはず。昔「知ってるつもり!?」という伝記テレビ番組があり(年がバレますね、、)子供のころ好きでよく見ていたのですが、ここでウェッジウッドが取り上げられた時、「人事を尽くして最後は神に委ねる」と言っていたようなことを思い出しました。最終的に全てがコントロールできるものではないという事は、全てに言えることなのかも知れません。ちなみに展示物の中には、窯跡から発掘された失敗作の破片などもありましたが、その破片だけでも十分美しく、「ちょっとこの一片下さい」と言いたくなります。

 晩年の仕事の中には、地元下館の80歳以上の高齢者に毎年鳩の柄がついた杖を無償で贈る(戦時中を含む19年間続けられたそうです)など、その人柄が偲ばれる活動もあり、全ての年の鳩杖も展示されています。5/11までの展示ですので、まだご覧になっていない方は是非。オススメです!

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