常念が見える部屋から

ここから北アルプス常念岳が眺望できます。
季節の移ろいに写真を添えて発信します。

黄沙

2010年03月21日 | 季節の便り
黄梅

春雷が鳴り響いて強風が荒れた一夜が明けると、黄色い霧が視界を遮っていた。
中国の奥地から飛来して黄沙である。
黄沙は砂漠の砂嵐によって巻き上げられた微粒子が偏西風に乗って日本にやってくる。
いつか中国の上空を飛んだとき「耕して天に至る」景色を見たことがある。
黄沙とは関係ないかもしれないし、あるかもしれない。
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アズマイチゲ

2010年03月20日 | 季節の便り
アズマイチゲ

陽気に誘われてアズマイチゲが一斉に咲いた。
春が近づくと、雪解けの土手にこの花を探しに出かけたものだ。
その球根を一つ、庭の植え込みに移植したのはいつ頃だっただろう。
すっかり定着して、増えて毎年春を届けてくれる、可憐な姿の春告草である。
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早春の黄色い花々

2010年03月19日 | 季節の便り
これは マンサク


残照が尽きる間際の植え込みの中に、淡いほむらのようにぼんやりと浮かぶ一群があった。
近づいて目を凝らすとそれはサンシュユであった。
稗つき節の鈴を掛けた木は山椒であっ、てサンシュユではないと聞いたことがある。
あの棘だらけの山椒の枝より、サンシュユの方がこの悲恋物語に相応しいように思った。
早春の里山を飾る似た花に、ダンコウバイやアブラチャンがある。
木立の間の残雪も消えて、アブラチャンの小花が群がって咲き、久方ぶりに山は明るさを取り戻した。
コブシの咲く日も近い
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春宵

2010年03月18日 | 常念100景
暮れなずむ空に

仕事を終えて家に帰りついても西の空はまだ明るい。
冬の間閉じ込められていた天蓋が急に外されたようだ。
こんな季節をだだ無為に過ごしてもったいない気もするし、こんな季節が雑事に埋もれてしまう方が惜しい気もする。
一年を通して最も気がみなぎる季節である。
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夜明け

2010年03月17日 | 季節の便り
常念 3月17日


ボケ


常念の頂きを照らした光は山腹を駆け下りて、安曇野を凌駕し、城山丘陵を範囲に収め、
流れる様に市街地を進み、自動車より早い速度で到達した光は、周りの家々の白壁に
まぶしく反射している。
復活した陽光は、冬の外套を脱ぎ棄てた木瓜のつぼみの淡い緑や紅に映えて、
野鳥のさえずりが一段とにぎやかになる春の夜明け。




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福寿草万歳

2010年03月16日 | 季節の便り
福寿草

思いがけない処に福寿草が咲いていてうれしくなる。
緑の金平糖のように実った福寿草の種子は、だれが運ぶのか、庭や植え込みのあちらこちらに発芽する。
しかし花が咲くまでの間になくなってしまうものが多い。
芽生えから開花までおよそ三年ほどかかるようだ。
アジサイの根元に今年初めて咲いた新しい福寿草である。
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ビニールハウス倒壊

2010年03月15日 | 季節の便り
東イチゲ


9日の大雪で農業用ビニールハウスがなすすべもなく倒壊した。
自然の猛威?である。
一方 同じ場所で何事もなかったように、猛威をかわしたハウスもある。
持ち主に教えを乞うた。
達人 曰く「雪の質量、降雪予報から判断して、無防備でいたら倒壊は免れないと判断し、夜中ハウスの内部に何本かの支柱を立て補強した」。
我が家のハウスはつぶれるべくしてつぶれたのだ。
昨日雪が消えたので実地検証した。
無残にひしゃげ、絡まりあった鉄パイプを取り外し、折れ曲がりを矯正し、本の姿に戻す工程のほど遠さを思い、ため息が出た。
雪の降る夜、暖かい部屋で、ぬくぬくと過ごしていた怠け者の悔みである。

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クリスマスローズ

2010年03月14日 | 季節の便り
クリスマスローズ

昨年繁った葉が、冬の寒さに枯れたクリスマスローズに新しい芽生えが始った。
丁度その時期、松本は季節外れのドカ雪に見舞われて、満開の福寿草も、水仙の剣先も、ほころび始めた梅の蕾も、湿った雪を相応にまとって耐えた。
落葉で詰まった雨樋から、雪解けの雫が溢れて軒下を打つ音を、まどろみの中で春の雨の音と聞いていた。
そんな夜が明けた朝、雪は跡形もなく消えて、雪の中で逞しく成長していた植物が現れた。


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閉課程記念式典

2010年03月13日 | 季節の便り


このたびの閉課程に遭遇し、学校は、魂を持つ 存在であることを実感いたしました。
去る 三月二日、定時制課程 最期の卒業生が巣立ち 同日 閉課程式が厳かに挙行され、昭和十四年開校以来 七十有余年の輝かしい歴史に 終止符が打たれました。
その歴史を手繰りますと、開学以来、情熱に燃える人々によって息づき、命を得て、鍛え、磨かれた伝統が 現在に至る過程が良くわかりました。
 想定を越える変革の中で、「夜の窓」に集う 若者たちをはぐくみ育て、伝統を継承し、品格の高揚にご尽力された、教職員並びに父兄 そして同窓の皆様に、心よりお礼申し上げます。
ご承知の通り 定時制の 就学期間は、四年でございます。
この延長された一年が、定時制のハンディキャップと思われがちです。
しかしながら 肉体の成長に時間が必要でありますように、
バランスの良い人格形成には、それ相応の時間が、必要と思われます。
少年期から 青年期に進む多感な年代に、恩師の薫陶を受け、級友と語りあった四年間は、程良い時間の、ゆりかごでありました。
間もなく新学期がめぐって参ります しかし 「夜の窓」にともしびがつくことはありません。  生を受けた者が消えてゆくのは世の定めでありましょう。
使命を終わり、ともしびを消した学び舎を、静かに見守りたいと思います。 
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鼬 イタチ

2010年03月12日 | 常念100景
春霞 常念



大雪の後 寒さが戻って今朝マイナス5℃まで下がった。
常念は霞がかかって、寒さの終わりを告げている。

イタチはテンに比べて数が多かったようだがその、区別はあいまいで自信がない、大きなのがテン、小さなのがイタチと思っている
イタチの動きは敏捷で、農家が飼育するウサギや鶏が襲われることが度々あった。
しかし その現場を目撃した人はごく稀で、それも話に尾ひれが付いて大きくなった。
実際のところ暗闇の中で、動物の識別はよほどの達人でない限り不可能だろう、目撃情報を流布している人の信用格付けは、総じて低かったように思う。
兎や鶏を襲ったのは猫か犬だったかもしれないし、あの時代のことを考えると人間だったかもしれない。
農家が動物の飼育を止めた現在では、イタチやテンが話題にのぼることはない。
しかし 雪の朝それらしい足跡を見ることがある、身近にひっそりと暮らしているのだろう
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