幽玄の中で
氏神様の本殿の屋根は、近頃珍しい茅葺である。
屋根の痛みが激しいので補修することになった。
まずご神体を、工事の期間、仮の本殿に移す儀式が昨夜行われた。
日が暮れて、社の森が闇に包まれるころ、五感に訴えかけるような太鼓が響いて、厳かな式が始まった。
普段は物の怪が好むような境内に、灯りが点き、かがり火が燃えて、老杉の幹が異様な半身の姿を浮き出している。
神がお移り遊ばすのにふさわしい、闇夜の環境が整った。
神社に隣接する我が家も、今晩は聖域である。
これから、工事の節目ごとに様々な儀式が執り行われることになるのだろう。
儀式には正式な名称があるのだけれど、なかなか覚えきれない。
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