常念が見える部屋から

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季節の移ろいに写真を添えて発信します。

火祭(三九郎)

2008年01月14日 | 季節の便り
燃え盛る大人の三九郎

三九郎は子供達の正月行事であった。
この行事遂行にあたる組織は、厳格な階級制がしかれ、組織の親方階級は絶対権力者であり、意に添わない者には理不尽な制裁もあった。
山から材木を切り出し、三角錐の骨格となる3本の心棒を立て、その心棒に建物の梁ともいえる横棒を階段状に取り付け、五層城郭の骨格が完成する。
各階層には、藁、麦藁、萱等、青竹などを詰められる最大限度ま押し込んでゆく。
こうして5段式ロケットの燃料タンクが完成する。
松の内が終わり、各家々から松飾りを集めて、城郭の外壁を門松で美しく葺き上げる。
勿論 門松だけでは足りないから、山から杉や檜の下枝を切り取り集めてくる。
苦しみと楽しさの果てに緑の大ピラミッド(大小屋)と小ピラミッド(小小屋)が出来上がる。
この大工事を子供達だけで、正月休の全日程をつぎ込んで完成させる。
いま思うに、現在の行動の基礎のほとんどは、この10歳~15歳の少年時代に体で覚えたことに連なっている。
木を切り倒し、引き出して約10メートルの櫓を組み、燃料をつめ、青葉で装飾した、この難工事を、大した事故もなく子供集団だけで成し遂げたことにいまさらながら感心する。


コメント
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