紫竹ガーデン~幕別温泉
書店で「短歌 7月号」をパラパラめくっていると、
次の歌がひときわ大きく目に飛び込んだ。
作者は篠 弘さん、元警察官の歌人ということである。
装甲車つらねてデモをはばむなか<殺ってしまへ>といふこえがする
憎みてはならぬと罵詈をこらふる日怒りの唾を頬に受けつつ
警棒に撲たざることをぎりぎりの良心としてわれは追ひゆく
昭和35年6月15日、
樺美智子さんが亡くなった日も「安保反対!」とシュプレヒコールをあげて国会周辺のデモに参加していた。
安保の何たるかもわからない、反対!反対!と叫んでいれば政治が変わると思い込んでいた時代である。
あれから五十三年・・
自分の無知は棚に上げて、デモの体験談を武勇伝を語るがごとく得意気になって喋っていたこともあった。
しかし、篠さんの歌に触れたとき、他者を思いやるこころを忘れていたおのれがとても恥ずかしい。
そういうわけで、
国会周辺で対峙したかもしれない篠さんへお詫びしたい気持ちで、
「短歌7月号」を購入した。
さあ、これから幕別温泉へ、モール温泉につかってゆっくりしたい。