らんかみち

童話から老話まで

婚活体験って、やり甲斐があるよ

2012年05月06日 | 男と女
 市長が来店されて蕎麦をご所望だって? 蕎麦屋のオヤジはただ今婚活の真っ最中なので、オバマ米大統領だろうが金正恩最高指導者だろうが……いや、金氏が来られたなら、何をさておき駆けつける、かもしれないが断った。
 婚活で蕎麦打ち体験の講師を引き受けたからには、参加者の人生設計に関わる一大事を前に市長ごときで持ち場を放棄するわけにはいかないのだ。どのみち選挙を見据えての活動なんだし。

 蕎麦打ちは何度も教えたことがある、といっても5グループ25名を相手にした経験は無い。なので昨夜はとんでもない時間に魘されて目が覚めたくらい緊張していた。
 始まってみれば、いつもやっていることを口で説明しながら実演してみせるだけのこと。どうということはなかったけど、皆さん先走ること夥しい。とくに男性に体験してもらうと、指示を待たずに次のステージを目指してしまう傾向があるようだ。

 防人ィーズの5人がサポートしてくれて蕎麦打ちはつつがなく終え、次の石窯ピザ体験に引き継ぐ。これがまた楽しい体験で、蕎麦打ち道具をそのまま使ってピザ生地を延ばし、自分なりのトッピングが実現できる。婚活という目的がなくったって、どちらも面白いのだ。蕎麦打ち体験とピザ焼き体験って相性が良いみたい。

 
 この2、3週間というもの、今日のために初心者向け蕎麦打ちセットをそろえ。石窯を築いてきた。婚活に参加した皆さん男女ともに酒も飲まなずヒートアップしているのを見ると、開放感というか一定の達成感はある。
 やれやれ、と事務所に戻ってみると、何だこりゃ! 30秒しかゆでられない蕎麦と、5分ゆでないといけない蕎麦を同時にゆで、それを市長に出しただぁ? 蕎麦打ちは「一鉢、二伸し、三包丁」と云われるけど、最後の茹でにもノウハウは必要なのだ。

 市長には挨拶したが、どんな蕎麦を出したかを知る前だったのが悔やまれる。オレの蕎麦じゃないんだ、それは!
 そんなことは構わないけど、今日の婚活に集った人たちの中からカップルが誕生すると良いな。疲れたけど、そういうところで報われるなら、やり甲斐のあるイベントだ。

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