らんかみち

童話から老話まで

恵比須さんを融かすところだった

2015年09月15日 | 暮らしの落とし穴
               

 銅製の玉子焼きフライパンをしばらく使わなかったら、内側の錫引きがはげて緑青が浮いていた。緑青といえば昔は鉛と同じように猛毒と信じられていたけど、今では普通の金属と同じだといわれている。そうだような、でないと焼き物に人気の緑色に発色する織部釉も毒性があることになる。

 緑青が怖くないとなると銅の地金のまま玉子を焼いても良い。実際そういうフライパンもあってプロが好んで使っている。美しくはないけど実用上は問題ないのでこのまま使うことも考えたけど、一部に焦げ付き癖が付いているのでリセットすることにした。

 外側の焦げ付きは重曹液で煮込んで柔らかくし、酢と塩を混ぜた液を研磨用シートにつけて磨くと、ほぼ新品の輝きを取り戻した。内側も同じ作業をしたけど、錫引きのクスミは直らなかった。

 錫を引き直そうと地金を探したけど見つからない。ちょっと値の張る酒のボトルを封印しているのは錫だと思うし、茶壺や錫食器というのも、あるときにはゴミになったりしている。なのに欲しいときには無いんだよねぇ、キャップの封を貯めておけば良かった。

 そうそう、どこの家にも一つはありそうなお目出度い置物も錫で作られているはず。うちにもあるなと確認したら純銀だった。フライパンを銀引きしても良いとは思うけど、錫に比べたら融点が高すぎて使えない。
 これが錫製なら後先考えずに融かして使ったと思うけど、よく見たら親戚の米寿祈念の品だった。危なく罰が当たるところだったよ。錫のインゴットを買うしかないか。

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