アンチョビの巻き寿司

　　　　　　　　　　　　　


　アンチョビの缶詰が賞味期限を迎えている。シュールストレミングになる前になんとかしないといけないので、巻き寿司の具に使ってみた。
　抱き合わせにする具は、未だ攻撃の構えを見せてやまない地這いのキュウリ。朝露の乾く前のキュウリが美味しいのかどうかってことはさておき、ちょいと塩をまぶしておく。定番の大葉を敷き、具を並べた上にフェンネルの葉っぱも散らしてみた。これにて一件落着。

　その味は……アンチョビがシュールストレミングになるわけないんで、ちょっと勇み足だった。
　巻き寿司の具なんて何を入れてもＯＫには違いないけど、アンチョビはやっぱり強い個性を放っている。こういうことになるのなら、玉子で巻いて「う巻き」ならぬ「ア巻き」にすれば良かったかな。味の強すぎる具を直接巻いてはいけない、という教訓にはなった。