
(承前)
cholon(中央区南1西12、電車通り)の2階では、若い女性による写真展「White H2O keiko kurita」がひらかれていた=冒頭画像は、会場に通じるビルの入り口=。
すべて正方形の画面のカラーで、雪のある風景ばかり。こういうのは露出がけっこうむつかしいはず。北欧の透明な空気感がつたわってきた。
西11丁目から地下鉄東西線に乗り、ひと駅先の西18丁目でおりる。
ギャラリーミヤシタ(同区南5西20)で、木村環展を見る。
いつもは会期が3週間なのが「ミヤシタ」の特徴だけど、なぜか今回は2週間。
それにしても、木村さんが作品発表を始めてからまだ2年にもならないのに、いったいなんて遠くまで来たのだろう-というのが正直な感想だ。筆者は、下のリンクした展覧会以外にも、イラストレーションという性格を強めたという印象のある「アリス!」(ギャラリー門馬アネックス)や、ユリイカでの個展も見ているが、今回また、新境地を開いたなあと思った。
これまでは、ほとんどモノクロームだったのが、今回の全12点は、背景がやわらかい黄土色でおおわれている。いずれも、題はない。
髪の毛とも草とも針金ともつかない細い線(つまり、一定の太さを有した線であり、単なるドローイングの線ではない)のおびただしい集積が、おおくの作品で中心的なモティーフになっている。それらが、草むらのようになびいたり、その上を小さく描かれた動物たちがはねたりしている。
りょうけん座の子持ち星雲のようにからまりあっているものもあれば、中が赤く燃えているように見え表面は細い線が激しくカーブしているものもある。これらの作品では、髪や草の集積は、中空に浮かんでいるものが多い。
筆者が気に入ったのは、それらの線が登場する作品ではなく、「星の王子さま」に登場する小さな惑星ぐらいの大きさの球体が、天頂部に1本の木がはえ、内部は中空なのが見えるようになっていて、そこからミルクのような水流が細い滝になって流れ落ちている-という場面を描いているもの。星の大きさからして、中にたまっている液体はあまり多くなく、早晩滝は枯れるであろうが、しかし、いつまでも永遠に流れ落ちているようにも思われる。
言葉にしようとしても、ちょっとできない、ふしぎな絵ばかりだった。
2009年1月28日(水)-2月8日(日)12:00-19:00
(この項続く)
■木村環作品展“Perfume Garden”(2008年3月)
■木村環×藤谷康晴作品展「乱」(07年12月)
■藤谷康晴ライブドローイング “無言の警告”■木村環鉛筆画展 愛の挨拶(07年11月)
■木村環作品展“Little Fury Things”(07年秋)
■木村環 a.k.a.kim-igor "METAL BOWL STRIKES AGAIN"(07年5月)
cholon(中央区南1西12、電車通り)の2階では、若い女性による写真展「White H2O keiko kurita」がひらかれていた=冒頭画像は、会場に通じるビルの入り口=。
すべて正方形の画面のカラーで、雪のある風景ばかり。こういうのは露出がけっこうむつかしいはず。北欧の透明な空気感がつたわってきた。
西11丁目から地下鉄東西線に乗り、ひと駅先の西18丁目でおりる。
ギャラリーミヤシタ(同区南5西20)で、木村環展を見る。
いつもは会期が3週間なのが「ミヤシタ」の特徴だけど、なぜか今回は2週間。
それにしても、木村さんが作品発表を始めてからまだ2年にもならないのに、いったいなんて遠くまで来たのだろう-というのが正直な感想だ。筆者は、下のリンクした展覧会以外にも、イラストレーションという性格を強めたという印象のある「アリス!」(ギャラリー門馬アネックス)や、ユリイカでの個展も見ているが、今回また、新境地を開いたなあと思った。
これまでは、ほとんどモノクロームだったのが、今回の全12点は、背景がやわらかい黄土色でおおわれている。いずれも、題はない。
髪の毛とも草とも針金ともつかない細い線(つまり、一定の太さを有した線であり、単なるドローイングの線ではない)のおびただしい集積が、おおくの作品で中心的なモティーフになっている。それらが、草むらのようになびいたり、その上を小さく描かれた動物たちがはねたりしている。
りょうけん座の子持ち星雲のようにからまりあっているものもあれば、中が赤く燃えているように見え表面は細い線が激しくカーブしているものもある。これらの作品では、髪や草の集積は、中空に浮かんでいるものが多い。
筆者が気に入ったのは、それらの線が登場する作品ではなく、「星の王子さま」に登場する小さな惑星ぐらいの大きさの球体が、天頂部に1本の木がはえ、内部は中空なのが見えるようになっていて、そこからミルクのような水流が細い滝になって流れ落ちている-という場面を描いているもの。星の大きさからして、中にたまっている液体はあまり多くなく、早晩滝は枯れるであろうが、しかし、いつまでも永遠に流れ落ちているようにも思われる。
言葉にしようとしても、ちょっとできない、ふしぎな絵ばかりだった。
2009年1月28日(水)-2月8日(日)12:00-19:00
(この項続く)
■木村環作品展“Perfume Garden”(2008年3月)
■木村環×藤谷康晴作品展「乱」(07年12月)
■藤谷康晴ライブドローイング “無言の警告”■木村環鉛筆画展 愛の挨拶(07年11月)
■木村環作品展“Little Fury Things”(07年秋)
■木村環 a.k.a.kim-igor "METAL BOWL STRIKES AGAIN"(07年5月)
やってくる猫たちがいるそうです。
木村さんのブログには、絵の事より
ネコの姿が連日更新されています。
先日ネコ缶持って馳せ参じましたが
逢えずじまい。私も何をしに行った?
3月には早くも次の個展だそうです。
なにか記録を作ろうとしているの?
そういえば、ミヤシタさんのところには、ネコがよく来ています。
ただ、正面の扉や、事務室の窓から出入りすることが多いので、それらがあいている季節のほうが、ネコには会いやすいんじゃないですかね。
ただ、展示室にはけっして入りません。宮下さんのしつけがうまくいっているのかも。