道内で皮革工芸というと、函館の道展会員である明本モト子さん、美工展の事務局長を長く務めた高木晶子さん(札幌)、現展の亀島ヒサ子さん(江別)、札幌の喜井豊子さんといった顔ぶれがすぐに思いつきますが、筆者の知らない人ですごい作家さんって、まだまだいるんですね。(←たんにヤナイが不勉強なだけです)
藤田さんは、札幌在住。主宰する「ヤンピー工芸 藤の会」の展覧会は毎年のように開いていますが、個展は15年ぶりとのこと。また「日本表象美術協会」(いろんな団体があるんだなあ)の北海道支部長や理事も務めているそうです。
藤田さんは、壁掛けと立体の二刀流。
会場の中央に、革でできた大きな壺が鎮座し、そこに生けられている花々もすべて革(ただし茎だけは木の枝)というのには、おどろきました。
壁掛け作品も、北の自然を大胆にあしらった「湿原(氷紋)」や、三角形を主体に構成した抽象作品「翔(I)」「翔(II)」、横長の図形を中心に筒型の革などをならべた「響」など、絵画でいえば80-100号はありそうな抽象の大作がならんでいます。
いずれも、お稽古ごとのイメージからは離れた、シャープな造形の作品ばかりです。
藤田さんは「北海道女流工芸 一の会」のメンバーでもあります。
同会は、来月9-14日、紀伊國屋書店札幌本店で「ミニアチュール展」を予定しています。
「ミニアチュール」なので、今回のような迫力みなぎる大作は出てこないでしょうが、楽しみがひとつ増えました。
07年10月18日(木)-23日(火)10:00-18:00
大同ギャラリー(中央区北3西3、大同生命ビル3階)