北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

2018年4月21日は13カ所(10)

2018年05月07日 21時25分00秒 | つれづれ日録
(承前)

 ゴールデンウイークも過ぎて、いまさら4月21日でもないと思うけど、全11本の記事のうち、一両日中にアップする予定の「第45回美工展」以外はようやく書き終わったこともあり、これまでに触れることができなかった展覧会について、ここで簡単に記録しておきたい。 

 一つは、SAPPORO UNDERGROUND necco で開かれていた黒崎三眼さんの個展。
 黒崎さんは写真と言葉を組み合わせた作品をグループ展で矢継ぎ早に発表している。
 写真は、女性モデルを使い、情念のようなものがほとばしり、言葉も併せて全体としてひりひりとした感じに満ちている。ロックの批評でよく使われる用語を流用するなら、自らの「初期衝動」に忠実なのだと思う。

 初期衝動に忠実な表現は、3コードのロックンロールと同じく、若くて世の中に不満を抱いている人たちの共感を得やすい一方で、バリエーションが乏しくなる危険性も大きい。黒崎さんの写真も、室内を飛び出して駐車場などに撮影地を拡大して表現の幅を広げており、今後どう変化していくのか、気になる。

 もう一つは、市資料館で開かれていた高田稔個展。

 高田さんはギャラリーたぴおで毎年絵画の個展を開いてきた人で、新作の展示にあまりこだわりがないのが特徴。
 もともと、背中をこちらに向けた少年が海を見つめている構図の絵が多かったが、2011年以降は、その意味するところががらりと変わってしまったように感じられてならない。まるで、津波に奪われた家族の帰りを待っているように見えてしまうのだ。
 今年は、犬のデッサンがまとめて展示されていたのが珍しい。
 高田さんの場合、題名も説明文も会場にいっさい掲示されていないのが常なので、理由はわからないが、あるいは長年連れ添った愛犬が天国へ旅立ってしまったのだろうか。


 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。