
下沢さんは1960年生まれ、札幌在住の陶芸家。
以前は、力強いオブジェを関西で、うつわを札幌で-と、場所によって発表する中味を変えていましたが、ここ数年は札幌でも異分野の作家との2人展などで、大作の立体を、精力的に発表しています。
今回はうつわの展覧会。
ただし、2004年ごろにはたくさんあった黒っぽいうつわは姿を消し、大半が織部と粉引になっています(黒釉と楽焼もすこしあります)。
「いやあ、トシをとると、伝統的なものに走っちゃうんですかねえ」
と、下沢さんは笑っていました。
冒頭の画像は大きな壺で、下沢さんとしてはめずらしいです。
粉引の壺は「RAKUGAKI」と題され、いろいろな線条が表面を走っています。
織部のほうは、緑色がずいぶん明るいのが目を引きました。新緑のような色合いです。

ただし、一般のうつわの織部釉は、壺に比べると濃い色です。
水差、茶器、Cup、酒盃、皿など。
表面は土がごてごてと盛り上がり、多彩な表情を見せます。
見た目よりも触感をたのしむ器といえるでしょうか。
下沢さんのうつわのもうひとつの特徴は、高台がないものがほとんどであること。
「うーん、あまり意識してなかったんですが。底のほうまでしっかり釉薬をつけたいという気持ちはあります」
と下沢さん。

この画像は、いずれも粉引の茶碗です。おなじ粉引といっても色合いはだいぶ異なります。
さいきんは箱書きもされるようです。
この茶碗がいい。
石はぜのようなブツブツ感とか、上方と下方の微妙な色の違いとか、景色を楽しんでいると飽きません。
一般的な茶器よりもすこし大きめです。
ところで、夏には、国立美術館にもコレクションされているベテラン陶芸家で走泥社のメンバーでもあった川上力三さん(京都在住)をまねき、札幌の美術家阿部典英さんもくわえて3人展をひらくそうです(コンチネンタルギャラリー)。
川上さんによるワークショップなども予定しているとのこと。
下沢さんが関西で個展をひらいたとき、ちょうどおなじギャラリーの別室で個展をひらいていたのが川上さんだったそうです。
道内にいると、関西などの陶芸の最前線に触れる機会はほとんどありません。
道内には100人を超す陶芸家がいますが、札幌が大都会でそれなりのマーケットがあるので、あまり全国的な流れと関係なく、うつわをつくって事たれりとしている人も多いのは否めません。まあ、べつに北海道ドメスティックでダメだということではありませんし、北海道らしさを保ちつつ全国展開を果たしている工藤和彦さんや柴山勝さんのような作家も少なくありません。
ただ、実感としては、関西の一線とつながるかたちで創作活動をしているのは、下沢さんと倶知安の林さんぐらいかなあという気はします(ほかにもいらして、失念していたらゴメンナサイ)。
3人展、いまからとてもたのしみです。
07年4月26日(木)-5月1日(火)10:00-19:00(最終日-17:30)
アートスペース201(中央区南2西1、山口中央ビル 地図B)
□下沢さんのサイト
■田村陽子さんとの2人展(07年1-2月)
■下沢トシヤ陶展(06年12月)
■西本久子さんとの2人展(06年1月)
■下沢トシヤ陶展(04年6月)
■北海道立体表現展(03年)
■下澤敏也・多田昌代2人展(03年、画像なし)
■下澤敏也・多田昌代2人展(02年、画像なし)
以前は、力強いオブジェを関西で、うつわを札幌で-と、場所によって発表する中味を変えていましたが、ここ数年は札幌でも異分野の作家との2人展などで、大作の立体を、精力的に発表しています。
今回はうつわの展覧会。
ただし、2004年ごろにはたくさんあった黒っぽいうつわは姿を消し、大半が織部と粉引になっています(黒釉と楽焼もすこしあります)。
「いやあ、トシをとると、伝統的なものに走っちゃうんですかねえ」
と、下沢さんは笑っていました。
冒頭の画像は大きな壺で、下沢さんとしてはめずらしいです。
粉引の壺は「RAKUGAKI」と題され、いろいろな線条が表面を走っています。
織部のほうは、緑色がずいぶん明るいのが目を引きました。新緑のような色合いです。

ただし、一般のうつわの織部釉は、壺に比べると濃い色です。
水差、茶器、Cup、酒盃、皿など。
表面は土がごてごてと盛り上がり、多彩な表情を見せます。
見た目よりも触感をたのしむ器といえるでしょうか。
下沢さんのうつわのもうひとつの特徴は、高台がないものがほとんどであること。
「うーん、あまり意識してなかったんですが。底のほうまでしっかり釉薬をつけたいという気持ちはあります」
と下沢さん。

この画像は、いずれも粉引の茶碗です。おなじ粉引といっても色合いはだいぶ異なります。
さいきんは箱書きもされるようです。
この茶碗がいい。
石はぜのようなブツブツ感とか、上方と下方の微妙な色の違いとか、景色を楽しんでいると飽きません。
一般的な茶器よりもすこし大きめです。
ところで、夏には、国立美術館にもコレクションされているベテラン陶芸家で走泥社のメンバーでもあった川上力三さん(京都在住)をまねき、札幌の美術家阿部典英さんもくわえて3人展をひらくそうです(コンチネンタルギャラリー)。
川上さんによるワークショップなども予定しているとのこと。
下沢さんが関西で個展をひらいたとき、ちょうどおなじギャラリーの別室で個展をひらいていたのが川上さんだったそうです。
道内にいると、関西などの陶芸の最前線に触れる機会はほとんどありません。
道内には100人を超す陶芸家がいますが、札幌が大都会でそれなりのマーケットがあるので、あまり全国的な流れと関係なく、うつわをつくって事たれりとしている人も多いのは否めません。まあ、べつに北海道ドメスティックでダメだということではありませんし、北海道らしさを保ちつつ全国展開を果たしている工藤和彦さんや柴山勝さんのような作家も少なくありません。
ただ、実感としては、関西の一線とつながるかたちで創作活動をしているのは、下沢さんと倶知安の林さんぐらいかなあという気はします(ほかにもいらして、失念していたらゴメンナサイ)。
3人展、いまからとてもたのしみです。
07年4月26日(木)-5月1日(火)10:00-19:00(最終日-17:30)
アートスペース201(中央区南2西1、山口中央ビル 地図B)
□下沢さんのサイト
■田村陽子さんとの2人展(07年1-2月)
■下沢トシヤ陶展(06年12月)
■西本久子さんとの2人展(06年1月)
■下沢トシヤ陶展(04年6月)
■北海道立体表現展(03年)
■下澤敏也・多田昌代2人展(03年、画像なし)
■下澤敏也・多田昌代2人展(02年、画像なし)