道内およそ250の書の団体の代表者の作品をあつめた展覧会。いやー、おもしろかったです。社中もあれば、地方の連盟もあり、社中を超えたグループもあり、全国規模の団体の北海道支部もありで、漢字、かな、近代詩文、墨象、篆刻、前衛と、じつに多彩です。 . . . 本文を読む
読売書法展の北海道展といえば、毎年3月に札幌市民ギャラリーでおこなわれ、道内からはかなの出品が多くて、あとは道外からの巡回作品が大半というイメージがあったけれど、2年ぶりに見てすっかり様変わりしているのにびっくり。
道内からの入賞が43人、入選が228人と急増している。しかも北海道書道展などではまずお目にかかることのないタイプの調和体作品がじつに多いのだ。道外からは、幹部役員の作品が展示されているだけで、会場のほとんどを道内勢が占めていた。
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2002年に95歳で亡くなった書家で、北海道書道展招待作家だった藤根星洲さんが、来年生誕100年を迎えるのを記念した書展がひらかれています。
藤根さんは秋田県生まれ。幼いころに歌志内に移り、その後夕張へ。戦後は夕張北高校などで教壇に立ち、晩年は江別に住んでいました。2003年には夕張市美術館で回顧展がひらかれています。
書は札幌師範教習所で石井梧鳳(ごほう)に学び、のちに桑原翠邦や比田井天来 . . . 本文を読む
後志管内余市町在住で、北海道を代表する墨象作家のひとり馬場怜さん(1925年生まれ)が、札幌で個展をひらいています。
この個展に関しては、9月7日の毎日新聞北海道版に詳細な記事が出ており、筆者ごときがくだくだしく解説を加えるよりも的確な紹介がされていますので、長くなりますが、大半を引用させていただきます。
怜さんは岩内町生まれ。軍隊生活を経て教職に復帰。42歳で小学校長になり、5校の校長を . . . 本文を読む
毎日展の審査会員、奥村素紅さん(札幌)主宰の「抱墨会」門下で、各教室で先生をしている12人による、初の展覧会。奥村代表をはじめ、おなじ人が、漢字、かな、調和体と、分野をまたいで作品を発表しているのが特徴です。また、かなの臨書が多い半面、漢字は行草書の創作が多いです。
奥村代表のほか、岡崎青暉、小野寺泰篁、国本聖沙、熊倉美翔、佐藤韶光、柴山霞香、鈴木春想、竹内栄、冨樫祥苑、野尻範結、松浦幸侑、 . . . 本文を読む
社中を超えて道内各地の女性書家があつまったこの展覧会も32回目。もちろん、道内の女性書家で参加してない人もいます。例年のとおり、意外とかなが少なく、漢字が多数。墨象、近代詩文もけっこうありました。篆刻はゼロ。しばらくなかった前衛書(文字でない作品)は、第一人者の竹下青蘭さんが復帰しました。会場で偶然会ったご本人は「ゆったりと書いた」とおっしゃっていましたが、筆者の目には、なんだかゆっくり落ちてい . . . 本文を読む
ASAKA展は梅木陽一さん主宰の書道展ですが、毎年、書道にあまり興味のない人でも楽しめるような企画を行っています。ことしのテーマは甲骨文字。会場の中央部分に、甲骨文字を書いた色とりどりの布が天井から吊り下がり、インスタレーションのようです。
壁には、甲骨文字を書いた正方形の紙が144枚ならんでいます。これを見ると、いまの漢字とかなり違うのに気づきます。また、漢字というのはもともと絵文字なのだと . . . 本文を読む
広島県福山市の書家による、ギャラリー全室をつかった大規模な個展。札幌での発表は初めて。道内の書展にくらべ、紙の色がいろいろあり、屏風が三つ並ぶなどして、かなり派手でカラフルな印象。筆者が行ったときは会場内に女性が大勢いて、ごった返していた。札幌にも稽古場があるということだが、これ、みんな生徒さんなの?
屏風には、芭蕉の句
「山里に萬歳遅し梅の花」
などが書かれている。かなというより、近代詩文に . . . 本文を読む
書道の世界で「道展」といえば「北海道書道展」。美術の世界では3つの公募展がしのぎを削ってきたが、書道はこの道展が質量ともに他の公募展を圧していると思う。近年は、1度に展示しきれないので、
・招待・会員作品(ことしは4月26-30日、札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)
・公募作品(5月3-7日、同)
・会友作品(5月5ー9日、札幌パークホテル)
の3つに分けて展覧会をひらいている。
一般公募→ . . . 本文を読む
先週見た「北海道墨人会展」は全作品1字書でしたが、今週の札幌墨象会展はそれにくらべると、いくらか作風に幅があるようです。太い筆で大きく書かれた墨象らしい作品も多いですが、漢字や近代詩文書に近いものもあります。
代表の島田青丘さん「風」は、左はらいがほとんど直線で、ダイナミズムと力強さを感じさせます。
同様に、菊地紀仁さん「愉」も、縦の曲線が爽快。わずかに全体が左に傾いているところに動感が生ま . . . 本文を読む
極太の筆でエイヤッと書く「墨象」という書の分野の展覧会です。ただし、31人全員が1文字書で、あまり変わったことをしている人は、今回は見受けられません。
墨ににかわをまぜて、おもしろい効果を出しているのが、荒野洋子さん(倶知安)「崖」、山崎貫二さん(登別)「誕」。
樋口雅山房さん(札幌)「春」は、左右の余白とのバランス感覚がさすがです。
吉田敏子さん(同)「灼」も、全体のつりあいが美しいと思 . . . 本文を読む
北広島在住の書家、石田壱城さんと、表装をなさる奥様の信子さんの二人展が、ホテルのロビーでひらかれています。
すべてが軸装ではなく、額装の作品もあるのですが、息のあった夫婦の共同作業が見られます。
入り口から近いところにある「花の名二十八体」は、葉のかたちをした紙に、撫子、薔薇、紅梅、河骨(こうほね)など花の名を記した、たのしい作品。すべてにふりがながついているところが、作者のさりげない気遣 . . . 本文を読む
道立函館美術館は、近傍の松前町が近代詩文書の創始者・金子鴎亭が出生地だということもあって、道立5館の中でも、書のコレクションと展覧会に力を入れている美術館です(ちなみに、金子鴎亭の鴎のへんは「區」。このパソコンでは「鷗」と出るけど、機種依存文字だと思われます)
今年の「北海道の詩歌と書の世界 書と写真が奏でる北のイメージ」は、同館が一から十まで企画した展覧会ではなく、各社中や団 . . . 本文を読む