「わたしを束ねないで」 新川和江さん
すこし取材が続いた日々を過ごした。
取材を持ちかける側には、当然のことながら「取材意図」がある。
程度の差はあれ、こんなテーマにまとめたい、そのためにこんな映像を撮りたい、
そういう「枠」に当てはめようとすることになる。
そういう「枠」に当てはめようという、意識的、無意識的な気配を
ずっと感じながら、取材期間を過ごすことになる。
すると次第に、いつも何とも複雑な気分になっていく。
表題にした「わたしを束ねないで」という新川和江さんの言葉が、
昨日の帰り道、ギョブカー内でふと頭に浮かんだ。
決められたくない、括られたくない・・
枠にはめられてしまうことへの反発が、いつもの疲労感だったんだ、
そう気づいた。
もう何年も、もう幾度となくあったのに・・遅まきながら。
もちろん他人に分かってもらいたい、という願望はある。
それは魚部の活動の大切な部分でもあるし。
矛盾するように思われるかもしれないけど、
取材されることって
分かってもらえるかどうかという不安、
きちんと映像化してくれるのかという不安、
そうした不安に終始付きまとわれているので、
「わたしを束ねないで」的な気持ちの方が強くなるんだろうね。
生き物ネタではないけれど、
たまには顧問の心情吐露をするのもいいかと思い、書いてみた。