2009.4.11
福岡県に3ヶ所あった田字草の自生地。
そのうち1ヶ所は既に消失してしまったらしい。
豊前地方にある県下最大(といっても、もう2ヶ所しかないけど)
の自生地である溜池を訪れた。
ここは、池尻の左半分にデンジソウが広く生育する。
2003年秋に初めて自生を確認し、これまで知られていた場所に
比べるとずい分広範囲だったので、当時は驚いた。
その後、毎年1度は生育状況を確認するために訪れている。
安心していたら、2007年度あたりに突然圃場整備に伴う
柵渠工事が行われた。(われわれは、工事後に知った)
当然、福岡県はデンジソウのことなどしらずに。
(同じ福岡県によって最も絶滅が危惧される種とされるのだが・・・)
さあ、2009年度はいかに?
かなり減水していたが、いつも生えている場所を見ると、
あちこちに今年の葉が。
近づいてみると、こんな感じ。
自生場所付近に流れ込む細流。
ここも柵渠工事がなされた。
画面中央付近の流れの真ん中に、「泡」のようなものが見えた。
目が悪いので、何の“アブク”だろうと近づくと・・・
驚いた。水面に浮葉するデンジソウの若葉だった!
細流とはいえ、こんな流れの中にガッツリ生えてるなんて。
たくましい!!
乾燥気味で草地の場所でも、よく見るとデンジソウがたくさん。
2009春、県下最大の田字草は健在でひと安心。
ただ、いつまで安心なのか、は誰も分からない。
福岡県でもRDBが改訂作業に入っていると聞く。
新たな情報をきちんと盛り込むこと。
そして何より、そこで評価された種は
「地域の貴重な財産」として残すように取り組むこと。
担当行政だけでなく、まずは関係行政で認識する。
そして、おらが町や村の誇るべき地域の財産と思えるように
取り組んでいくこと。
そういう方向に進んでいかなくては、まとめたとて効果半減。
せっかくの有意義な仕事を、効果倍増にする必要があると思う。