NPO法人北九州・魚部 「魚ぶろぐ」

日本各地で生き物や自然とかかわってるあなた、つながりの一つに「魚部」という場を加えませんか?

北九州・魚部267号【全国唯一? 九共大ボタ山ビオトープ。】

2015-02-05 23:10:21 | ビオトープ
誰でも参加できる新しい魚部「北九州・魚部」メンバーでもある、

北Q大のTAKEKAWA先生、副代表の一人らと

八幡西区折尾にある、九州共立大学の学内ビオトープを見学。



かなり長いお付き合いで、新魚部メンバーにお誘いしている

NARITOMI先生から見学においで!と以前からお招き受けていたが

なかなかチャンスなく、毎年今年こそと思っていた。



先年、これまた新魚部メンバーで両生類担当のM形氏に

先を越されてしまった。

氏曰く、「とてもおもしろいビオトープだった!」



こちらは何と学内に、「ボタ山」がある。

水辺を創出し、ボタ山周辺に生息するニホンアカガエルが

たくさん産卵に訪れるビオトープとなっているらしい。






まず、NARITOMI先生のお部屋へ。

ニホンアカの卵塊が置いてあった。

副代表の一人、さっそく中の「マルミズムシ」をチェック。






途中、作業小屋というよりNARITOMI先生の「ひみつ基地」見学。

傍らには、竹炭を焼くハンドメイドの窯も!

もうあれやこれや、いろんな取り組みが散見。すごい。






200名(驚!)の野球部員が練習する横を抜けると

ビオトープ・エリア。

画面左の林が、ボタ山だそうだ。







水辺がいくつか造成されている。

水田もあってイネを作ったりもするらしい。


ずい分埋まったとのことだが、

深い池では水深がモモ上まであるとか。

かなり掘ったようだ。






ニホンアカの卵塊はたくさん。

昨夜の観察では鳴き声が聞こえたとか。






水の供給は、雨水を集水した排水管がそばを通っていて

それをくみ上げているそうだ。

せせらぎとなって流れている場所もあり、水量は多そう。






NARITOMI先生が北九州ビオトープネットワークの活動で

取り組んでおられる洞海湾のシバナ。

種子から育てたものを実験的に栽培していた。






水辺を創るために掘った「ガラ」置場。

今やまったくの自然状態。

すき間にいろんな生き物が住んでそう。






次は、ボタ山へ。

画像見ても、ただの里山にしか見えん!


※このボタ山、「闘魂山」という名前らしい。

 アントニオさん以前に付けられただろうに(笑)





よく見ると、あちこちに「ボタ」が。






木々の向こうに見える、さらに大きな山。

これもボタ山らしい!


こんな市街地に今も残っているのがすごい。

ボタ山自体があるというのも、

こんなどこの山に入ったの?と学内とは思えない自然にも

どちらの意味でも、すごい。貴重。






山頂には、謎の構造物。

本当に謎らしい。


NARITOMI先生が赴任したころは鬱蒼としてて

何とかみんなで山道を切り拓いたとか。

今でも、この冬の時期は良いけど、

それ以外は草刈りなどの維持作業がタイヘン!と

苦笑いされていた。






下山(?)は別の道、

ぬかるんだ中、敢えて急傾斜の道を選んでおりる。




途中から、みぞれ混じりの強い雨で

一同、かなりずぶ濡れ。


だけど、とても楽しかった。

それに驚いた。

折尾のような昔からの市街地にこんな場所があるとは。


学校ビオトープに限らず、

人の目に多く触れるビオトープは得てして

手が入りすぎて「まるで公園か?」となりがち。


ここは適度に放置され、適切に管理されて

とても貴重な場所ではないかと思った。


学術研究都市の名のもとに

八幡西区と若松区の境界あたりの丘陵地帯が

凄まじい大規模開発をされて

自然という観点からは目も当てられない有様。


大学やら研究施設やらに加え、

便利な大規模商業店舗やオサレなお店は

たくさん出来たかもしれないが。


そんな中、ここは元がボタ山という人工的な場所でも

こうして保存されることで、貴重な緑の残る場所に

なっているのがいいなと純粋に感じた。





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新33号【何を目指したかったんだろ?】

2014-05-14 19:20:04 | ビオトープ


お隣のS県U市の山中。

山道の途中に突然、これが出現。







地元発行の山歩きパンフに載っていたので、興味津々で楽しみだったが

愕然とした・・・



どうしてここまでオソマツなものが作れるのだろう?

こんな山の中に、こんな杭で囲った何かがどうして要るのか?



きっとビオトープと言う名前に乗っかり、作ってみたかったのかな。

でも、きっと数十万どころか百万単位のお金(税金?)が

使われているに違いない。

こんなビオトープでも当然何らかの生き物がいないわけないので、

(まして、山の中だし)

大きく譲ってその観点からは

ビオトープと言えなくはないかもしれんけど。



昔の魚ぶろぐでも書いたけど

行政や施工業者に限らず、一般的にビオトープ(や多自然工事)というと

いかにもわざわざ作りました的なもの(≒公園的、ORお庭的)が

非常に多い気がする。



それは大がかりな公的なビオであれ、個人のガーデニング・ビオであれ

「ここにビオトープ作りました」という目に見える結果(形)が欲しいからだろうか。

例えば、ビオトープの一つでよく作られることが多い、水辺ビオにしても

いかにも自然的なものを作ってしまうと、

「ホントの自然」と区別が付かなくなって具合が悪い(!?)のだろうか。



  “これじゃあ、うちの近所の草ぼうぼうの場所と一緒だぞ!

   あるいはこんな水溜り、昔はナンボでもあって珍しくない!

   はたまたこんな雑草の生えた水溜り、蚊が出るじゃないか!

   等々、言われて挙句、

   そんなものにお金をたくさん使ったのか?”



というのは邪推しすぎかもしれんけど、個人はともかく

技術がある業者さんがきちんとお金を費やしたなら

もっとマシな、

換言すれば、かつてはどこにもあって、人間の手で今は消失した

そんな自然を再現するビオトープは作れないわけないと思うんだが。

ビオトープ管理士だとか、中身はよう知らんのやけど

そういう資格は世間にあるのにね・・



もっと生き物目線で、もっとイメージ豊かに、もっと確かな意志を持った

そんなビオトープや多自然工法的なものが増えたらいいのに。

発注する側、作る側の自然体験を通じた思考が必要なのかなぁ・・



都会に限らず、田舎にしたって(あるいは田舎だからこそ)

ちょっとした水辺を、それも自然度の高い水辺を

人為的であっても作ることで

(自然のままよりも敢えて人がした方が良いと思うけど)

その地域での持続的な生息の可能性が高まる、

そんな生き物は多いんじゃないかと思うのですよね。



自分自身はその土地に住んでもないし、所有者でもないし

あるいは行政の担当者でもないので

願うしかできないのが残念なことも多々あるのですが。

(だから少しでも何とかならんかというのが、

 “北九州・魚部”の目的のひとつでもあると考えてます)











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