ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

バリ島の体験

2013年03月14日 | 感じたこと
 数年前にひょんなことから私自身がインドネシアのバリ島へと行くチャンスに恵まれ、初めてバリ島を四泊五日の日程で訪れた時の奇妙な?体験の話である。

 それは「ニュピ」と称する宗教的?なバリ特有の一日であり、バリ島全土で人の行き来が止まり、宿泊している観光客もホテルや宿泊地内から外には出ないという、風変わりとというべき奇妙な風習の日のことである。

バリ島と言えば、インドネシアでの避暑地的観光地でもあり、インドネシアの国民の多くがイスラム教徒であるのだが、歴史的な過去のプロセスもあって、この島「バリ」だけは、何故かヒンズー教徒ガ大半だという「神秘の島」だったのです。

 前記の「ウブド村暮らし通信」の3月12日発信は、「きょうは「ニュピ」」と題して、静かですね、朝から鳥の鳴き声、虫の音しか聞こえません。テレビやラジオの電波は停まっているので音楽も音声もなし。道路には人っ子一人いません。もちろん、車、バイクも走りません。空港が閉鎖されているので、飛行機は飛びません。港も隣のジャワやロンボク島からのフェリーは動きません。人間の活動を全く停止させたようなむ一日、皆さん想像できますか。

 バリは今日、「ニュピ」です。バリ・ヒンズーの暦で1935年の元日です。夜明けから、明日の朝まで、人々は家の中で静かに神に祈り、ゆく年を振り返り、くる年に思いをはせながら、家族とともに過ごす日です。

 この一日、観光客とて例外ではありません。宿泊のホテルやビラの中から一歩も外出せず、敷地の中で静かに過ごしています。バリ在住の人の中には、狭い屋敷内に閉じ込められるのを嫌って、ニュピ旅行とか言って、島外へ出たり大きなホテルに待避する人もいます。

 逆に、こんな体験はめったに出来ないと、わざわざこの日を選んで、日本からバリ島へ宿泊にやってくる人もいます。皆さんも一度、この一日を味わいにバリ島へ、どうですか。

 ニュピ、こんな一日を、地球規模で実施できないかなぁ。というのが私の夢です。地球上の全ての人が、一日むだけ日常の活動をストップし、静かに人間の存在や地球規模で課題となっている食糧やエネルギーについて、ゆっくり考えてみる日があればなぁ、と。「ニュピ」をバリ島から、世界へ、輸出しょう!

 ざっとこんな通信でしたが、実は私が予期せぬ「ニュピ」の日に出くわしていたのです。

 四泊五日で明日は仕事の関係もあって、帰国するという予定の日に「明日かえります! 」と告げたら、「明日はニュピで、飛行機は飛ばないよ」と初めて教えられ、結局はじめてのバリ島への旅は、初めての予期せぬ「ニュピの日」体験となったのでした。

 急遽、のんびりと過ごすつもりだったバリ島ウブドでの時の経過が、最後には国際電話を数本かけて、あわただしく帰国が一日遅れることを家にも仕事の関係先にも知らせなければなせない、ばたばたとして最後となりましたが、邪気払いの儀式で台所の道具を敷地内で打ち鳴らしたり、田畑を見ながらの読書の時間となったり、犬と戯れたり、食事をゆっくりと楽しんだりも出来たので、とても愉快な奇妙な体験となりました。
コメント
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