40年以上使っている織部の茶碗。
毎年夏には必ず出して使います。
稽古で何人もに、何度も使われて、
私一人で使うよりずっと早く年を取ったかも知れません。
お茶碗に年を取る、つまりたくさん使って時代がつくのは、
茶道具の中ではお茶碗が別格ですから、
しまっておかないで、どんどん使うことですね。
高価なお茶碗ではありませんでしたが、とても気に入っていて、
使う時はいつもああこれこれと嬉しくなる御茶碗です。
言い換えれば高価でなかったから、どんどん皆さんにも使っていただけたのかも。
情けない話ですが、高価なものというだけで、
お稽古の方も、壊したら大変と使うのを遠慮しますし、
私もちょっと心配になりますし。
茶道具屋さんで目にする織部の茶碗は、
いいなあと思うものは、目の飛び出るような値段です。
伝来や、謂れ、経てきた年月を思えば、
それは当然のことなのでしょうが。
負け惜しみではありませんが、自分が時代をつけた、
自分とともに年を取ってきた茶碗に対する愛着は、
値段に負けないと思ったりします。( やっぱり負けおしみかな)
お勤め帰りにお稽古にいらした若い方を捕まえて、
お茶碗に「時代がつく」とはどういうことか、
今日はこのお茶碗を前にして、熱く語ってしまいました。
物を大切に使い続けること、
大切にされてきたものを次の時代に渡すこと、
その使命みたいなものを、お茶をしていると感じますね。
ところで、私も「時代」が付いて、
節目の年の「肺炎球菌の予防注射」をしてきました。
思わず「痛いですか?」
なんでこんなことを聞くのかしらね。
「インフルエンザより痛くないです」
笑わずに真面目に答えてくれたお医者様。
そうそう時代が付くと、
医療費の負担額が、2割負担になりましたよ。
もうすぐの皆さん、お楽しみに,。