GRASSの日々折々

馬好きフォトグラファーが綴る日々の1ショット。

群の意味

2007年08月26日 | 馬徒然
馬たちにとって、群にいられることがどれほど大切か、遠野の山で初めて知った。

特に梅雨明けからお盆までのひと月は、容赦ない虻の攻撃をかわすために、群の一員であることが必須。
群に入れない馬は、いろいろな意味で山での生活を乗り切ることは難しい。
馬は自分がどんな種類なのか意識していないというけれど、やはり軽種馬は軽種馬同士、重種馬は重種馬同士、ポニーはポニー同士、一緒にいるようである。

8月初旬、遠野の重種馬の放牧地に、なぜかたった1頭だけサラブレッドが放牧されていた。重種馬の放牧地は軽種馬の放牧地から離れている上に、気温が高めで虻の数も半端ではない。飼い主さんの意向だというが、なぜ重種馬の放牧地に入れたのかは、わかりません。
そのサラブレッドは重種馬の群には入ることはもちろん、近づくことも許してもらえず、1頭で虻の攻撃に苦しんでいたので、ずっと気がかりだった。人につかませない馬なので、移動させるのが困難とのことだった。

おととい、ようやくその馬を軽種馬(乗用馬)の放牧地に無事移動させることができたと、友人から連絡をもらった。そして今日、別の友人が「痩せてはいたが、群のそばにいた」と報告をくれた。(ありがとうございます!)
ああ、よくぞ一番辛い時期を乗り越えてくれた。人の心配より、馬の生きる知恵の方が優っているのかもしれない。
よかった。

馬にとって、群の一員でいることは、命にかかわるくらい大切だと、遠野の馬たちが教えてくれる。
写真は、2002年7月撮影。母馬の尻尾も、虻から子馬を守っている。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする