「お気に入り」コミックス1巻作品いろいろの続きです。
今回紹介している『放課後さいころ倶楽部』は、2月12日に2巻発売予定なので、
ギリギリでの1巻紹介となりました(^^;
『白暮のクロニクル』1巻 (ゆうきまさみ 先生)
不老不死の存在「オキナガ」をめぐる殺人事件。
新人公務員の伏木あかり。
彼女が遭遇した殺人事件の被害者は、不老不死である「オキナガ」という種属だった。
その後、彼女は厚生労働省「夜間衛生管理課」へ配属となり、
少年の姿をした「オキナガ」雪村魁と共に、事件を追うことになる・・・
といった感じのお話。
まず特徴的なのは、不老不死の「オキナガ」。
一般社会にとけこんで、普通の人間と同様に生活しています。
が、不老不死といっても、「殺し方」しだいで死に至らしめることができ、
そのため「オキナガ」が被害者となる殺人事件が起きるわけです。
不老不死という以外は、ごく普通の人間と変わらない感じですね。
そこで、「オキナガ」が被害者となる殺人事件が起き、
新人公務員の伏木あかりと、少年の姿をした「オキナガ」雪村魁が
事件を追うのですが、これがミステリタッチな内容で、グイグイっと引き込んでくれました。
1人の少女、雪村を疑う刑事、厚労省のお偉いさんなどなど、
様々な登場人物が入り乱れ、複雑に糸が絡み合った事件は、
やがて犯人に行きつくのですが、それは何か大きな闇の入り口っぽい点が、
今後を期待させますね。
何より、ゆうき先生の描く人物像は、
マンガ的でありながらも、どこか現実感を伴った造型がされていて、
不老不死というファンタジーも、ごく普通に受け入れて読めてしまうのが魅力です。
厚労省内の人間関係などにも、“政治”の匂いがただよっています。
こういった人間くさい雰囲気も、なかなかのもの。
かなり面白かったので、つづきが楽しみです!
『ナナのリテラシー』1巻 (鈴木みそ 先生)
天才コンサルタントと女子高生。
女子高生・許斐七海が、職場体験することになった事務所には、
「天才」コンサルタントと言われる山田仁五郎がいた。
そして、さっそく「電子書籍」をめぐり、出版社と漫画家を相手に、お仕事が始まります。
なんとも胡散臭い! ゆえに面白い!
「天才」山田仁五郎は、いわゆる「カメラアイ」の持ち主で、
ほんの少しでも、1度観たものであればしっかりと記憶することができる人間。
そのため、仕事前に資料を一通り読んで、そこからもっともらしいことを並べて、
顧客を満足させる達人であります。
この1巻では、出版社と漫画家を相手に、「電子書籍」の未来について語っていますが、
これがなかなか興味深い内容になっていて、非常に楽しめました。
ずばり「電子書籍」に未来はないと断言しつつも、
漫画家相手には、その展望を厳しいものとしながらも、乗り出すべきと勧めていたり、
2枚舌っぽい所を見せながら、じつはきちんと考えているというのが、面白かったですね。
また、登場する漫画家が、鈴木みそ先生ご自身をモデルにしている(?)のもよかった。
おそらく、ご自身も色々と考えておられることが、伝わってきますからね。
ここで語られる内容は、決して「正解」ではないでしょう。
けれども、1つのアイデアとして、受け止めて思案することは、無駄ではないのかな?
と思われます。 次はゲーム業界に関するお話っぽいので、楽しみです!
『シノハユ』1巻 (原作:小林立 先生/作画:五十嵐あぐり 先生)
「-旧約青春麻雀物語-」 (オビ文より)
白築慕は、麻雀が大好きな小学4年生
母とおじと3人で麻雀をした翌日、母が失踪。
おじに引き取られた慕は、やがて麻雀を通じて、世界を広げることに・・・
おじの家で暮らす慕。
けなげで明るくふるまってはいるものの、1人になれば、母を想って涙を流すことも。
そんな慕を見て、おじは麻雀そのものを忘れさせようとするのですが、
慕は母とのつながりを麻雀に求め、そこから同年代の少女たちとの交流が始まります。
そして、慕は麻雀大会に出ることになるのですが・・・
といった感じに、少女たちが麻雀をするという点では、
『咲-Saki-』と同様の作品となっています。
しかし本作は、『咲-Saki-』と同じ世界を舞台にしながら、それより過去の物語となっていて、
知った名前の人物も出てきたりするのですが、現時点での共通点はさほどありません。
母に見つけてもらうため、有名な選手になりたいという
慕の願いは、どこへ行きつくことになるのか・・・
表紙では制服を着た慕が描かれているので、成長してからが本番なのでしょうね。
母をさがすというドラマ重視の作品になるかもしれませんけども、
『咲-Saki-』で見せてくれている闘牌を、本作でも拝見したいので、そのあたりに期待です!?
『放課後さいころ倶楽部』1巻 (中道裕大 先生)
「放課後女子のアナログゲーム物語。」 (オビ文より)
京都へ引っ越してきた女子高生・綾は、元気いっぱいの少女。
そんな彼女が、引っ込み思案の同級生・美姫や、委員長・翠とともに、
様々なゲームで楽しむお話です。
綾は、景色でも何でも楽しんでしまうのが特徴で、
彼女に引っ張られるようにして、内気な美姫も、しだいに「楽しい」を見つけてゆくことに。
そして、ある日、クラスの委員長・翠があやしい行動をとっていることに目をつけ、
尾行した先にあったのが、「さいころ倶楽部」というアナログゲームのお店。
ということで、女子高生3人を中心に、
ボードゲームやカードゲームで遊んじゃうお話が始まります。
マラケシュ、ごきぶりポーカー、人狼などなど、知っているものもありますが、
大半は存じ上げないゲームばかりで、興味深く楽しませていただきました。
話の中でルール等は説明されますが、
各ゲームに関する解説コーナーなどもあって、充実した内容かと思います。
登場人物たちのエキサイトする様子はもちろん、
次はどんなゲームが登場するか、楽しみにできる所が面白いです!
『Fate/hollow ataraxia』1巻 (雌鳥 先生/原作:TYPE-MOON)
聖杯戦争ふたたび!?
あらゆる願いを叶えるといわれる聖杯を、求めて争われるのが、聖杯戦争。
『Fate/stay night』にて、その戦いは終わりを迎えたはず・・・
だったものの、なぜか戦争のために召喚されるサーヴァントが現界したままの異常事態。
その原因をさぐるべく、士郎は調査に乗り出すことに・・・・・・
一応、前作を知っていることが前提で話が進行しますので、
前作を存じ上げないと、分かり辛いかもしれませんね。
サーヴァントと呼ばれる英霊(古の王や戦士・偉人など)が召喚され、
聖杯を求めて相争うのが、聖杯戦争という舞台でしたが、
その呪縛は解き放たれたはずなのに、いまだ戦争の気配が残っているという状況。
ではありますが、かつての敵も、穏やかに日常に溶け込んでいる所が面白味ですね。
今の所、戦いよりは日常でのサーヴァントや、その主たち、周囲の人々との交流がメイン。
そのため、平和を楽しむことができるのですが、不穏な空気も漂い、予断を許しません。
それにしても、士郎のサーヴァントだったセイバーよりも、
ライダーさんや、ランサー、キャスターが魅力的に見えてしまうのは、良いのだろうか(^^;
いや、セイバーさん食い気ばかりだし・・・
本作は『Fate/stay night』の正統なる続編とのこと。
私は前作プレイ済み(ルート1つクリア程度)、本作については未プレイ。
このコミックス版が初見となりますので、今後が楽しみです!
『Fate/stay night』に関しては、今年アニメ化もするとのことで、そちらも同じく!
『ワルキューレロマンツェ 少女騎士物語』1巻
(NO.ゴメス 先生/原作:Ricotta/漫画原案:空蝉 先生)
ジョスト(馬上槍試合)と恋の物語、スィーリア・ルート。
水野貴弘は、ジョストの名門ウィンフォード学園で、ベグライター(騎士補佐)となる。
そこには魅力的な少女騎士たちがいて、彼女たちとの交流を経て、
貴弘の生活にも変化が現れはじめ・・・
といった物語。
貴弘が関わることになるのは、幼なじみの美桜や、
気さくな侯爵家の娘ノエルであったり、クラスメイトの茜であったりするわけですが、
本作のメインヒロインは、生徒会長のスィーリア先輩だったします。
本来であれば、美桜がその立場とも思えますが、ゲーム原作でもあることから、
ヒロインごとに物語が存在しており、ゆえに誰がメインになってもおかしくなわけですね。
私はゲームの方は未プレイですが、
かわりにアニメの方を楽しませていただきました。
登場人物の個性はもちろんのこと、脚本がしっかりしていて、
なおかつジョストという競技の面白さを感じさせてくれたことが、大きかったですね。
なので、コミックス版でも、そのあたりに期待したいのですが、
どちらかといえば、恋愛要素を重視した内容になっています。
天然っぽくありつつも、高貴で最強の騎士であるスィーリア先輩。
私もお気に入りのキャラクターだっただけに、彼女メインの物語には期待したい所。
凛としたスィーリア先輩の乙女な一面を拝めることを、楽しみにしておきます!
また、コミックス版では、美桜メインの電撃コミックス版(全2巻)と、
ノエルメインの「ノエル・エトワール」(1巻完結)も出ています~。