「お気に入り」1巻作品いろいろの続きの続きです。
もう1回くらい行きたいけど、さすがに数多すぎて無理かもしれませぬ(^^;
単巻・数巻出ている作品も紹介したいので・・・
『海のクレイドル』1巻 (永野明 先生)
産業革命期、蒸気船に密航した少女の物語。
イギリスは、産業革命の時代。
メイドとして働いていたモニカは、屋敷の主人が行方不明となり、お役御免に。
しかし、主人から息子・エヴァンの子守を頼まれていた彼女は、
思い切った行動に出ることに・・・ そこから始まる船の旅。
主人公モニカは、貧民街で育った少女。
ろくでなしの父親を抱えて苦労の連続でしたが、
メイドをしていたことは、旦那様の人柄もあって安らぐ時間だった様子。
しかし、旦那様が行方不明の末、亡くなったとのことで、屋敷は弟夫婦のものに。
そこで弟の妻が、エヴァンを疎んじていることを知ったモニカは、
すったもんだの末、蒸気船へ乗り込むことを決意します。
といったお話なわけですが、見所は蒸気船でしょうね。
機関の扱いが難しく、そのあたりの描写が興味深かったりと、
蒸気船の描き方に魅力を感じることができました。
もちろん、モニカを中心とした人間模様も面白味。
産業革命期の蒸気船を舞台に、どのような旅の物語がくりひろげられるのか・・・
まだ始まったばかりなので、よくはわかりませんが、期待したいところです!
『殿しゃん!』1巻 (牧田理恵 先生)
立花宗茂、上方ほのぼの滞在記。
戦国時代、九州の大名・立花宗茂が、大坂へ滞在していた時期を描いたお話。
関ヶ原の戦い後、領地を没収され、大坂へとやって来た立花宗茂と、その家臣たち。
その中には、まだ子供の八幡丸がいた!
と始まるお話は、八幡丸と殿ちゃん=立花宗茂(尚政)を中心に、
大坂での生活を、あたたかく描いた作品になっています。
やんちゃで自分勝手な八幡丸ではありますが、その元気いっぱいな姿は、
様々な人に活力を与え、楽しくすごせる土台を作り上げているのが、良い雰囲気です。
領地を失った立花宗茂がどうなるのかについては、
戦国時代について知っている方であれば、ご存じの事かと思いますが、
きわめて異例の復活をとげるのですよね。
なので、悲壮感は少なめに、上方ほのぼの滞在記を楽しむことができます。
また、「たちばなもんじょ版」立花家臣団の紹介ページもあって、興味深い。
八幡丸と殿しゃんの上方滞在記、注目です!
『ちちとこ』1巻 (うち子 先生)
元ヤンとーちゃんと、お調子者な息子の、ゆるゆるドタバタ日常コメディ!
息子・将くんのお世話に忙しい、主夫・よーさん。
暴れん坊な将くんと、元ヤンな父のふれあいを中心に描かれる、
父子と周囲の人々との日常が、面白おかしい作品です。
将くんは保育園に通っていて、よーさんは学校の先生をしているため、
家での父子と、それぞれの場所での2人の姿が楽しめるわけですが、
これが何とも、奇妙な味わいのある面白さ。
母親・奥さんの真美さんは、だいぶ自由・・・忙しい方のようで、
久しぶりに会った将くんに忘れられているとか、フビンだけど可笑しかった(´▽`;)
他にも、保育園の先生や友達、よーさんの生徒さんたち、ご近所さんなど、
様々な人たちが出てきては、愉快なやりとりをしていて本当に楽しい!
後ろの方では、4コマ編が載っていますけど、全体的な作風は
4コマ・コメディっぽい印象を受けましたので、これが基本形なのかもですね。
などなど、父と子の楽しい日常。 ゆる~く気楽に読めるのが良いです。
『魔法少女すずね☆マギカ』1巻
(原案:Magica quartet/漫画:GAN 先生)
新たなる魔法少女の物語。
新聞配達をしながら、学校に通う少女すずね。
魔法少女でありながら、「暗殺者」と呼ばれるそのワケは・・・?
『魔法少女まどか☆マギカ』のスピンオフ作品。
笑顔が魅力的な少女すずねですが、じつは裏では魔法少女狩りをしている「暗殺者」。
本作をご存じであれば、なぜそんなことをするのか、薄々と察しはつくのですが、
興味深いのは、他に4人の魔法少女が主要キャラクターとして登場すること。
つまり、すずねと4人は敵対することになるわけで、その戦いが描かれることになります。
その4人も、各々の背景を抱えた魔法少女で、魅力ある人物たち。
しかも、すずねとは同じ学校の同級生だったりするから、緊張感が高まるというもの。
そうした舞台でくりひろげられる魔法少女ストーリー。
どのような過程をめぐり、結末を迎えるのか・・・ 興味ありますので、楽しみです!
『モンテ・クリスト』1巻 (熊谷カズヒロ 先生)
原作:アレクサンドル・デュマ『モンテ・クリスト伯』より。
無実の罪で投獄されたエドモン・ダンテス。
城塞監獄での14年は絶望そのものだったものの、憎悪を支えに生き延び、そして脱獄。
名前を「モンテ・クリスト」と改め始まる、復讐の物語です。
『岩窟王』という翻案小説も有名な作品ですね。
まずモンテ・クリストが狙うのは、資産家のギャレット・ギャブレー。
ダンサーの少女イディを囲う男でしたが、クリストによって打ち倒されます。
その後、イディはクリストと共に、彼の復讐の旅に同行することに・・・
「待て、しかし希望せよ」
要塞監獄で、正気を失わないよう努めるクリストの描写には鬼気迫るものがありました。
そんな彼の復讐への渇望。
しかし、紳士的で明るく振る舞うクリストのおかげで、
暗くよどんだ雰囲気はほとんどありません。 なので、エンタメとしての魅力は抜群。
自分を陥れた者たちへ復讐を果たすべく、旅を続けるモンテ・クリスト。
復讐など無意味であるという言葉は、復讐者の前では意味を持たない。
はたして、その先には何が待っているのか? 楽しみです!