五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 今月のドリフ

2018年02月20日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

ヤングキングアワーズ 2018年3月号より

 今月の『ナポレオン -覇道進撃-』感想はこちら
 
 大幅に感想遅れていてスミマセン……年末から多忙でして。
 
 
 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 
 
 
 
 

●ドリフターズ (平野耕太 先生)

 

 撤退・・・!!

 黒王軍の攻勢を支えきれないと判断し、廃城まで退くよう決断する豊久。
 その顔には悔恨も無念もなく、笑っている所が大物すぎます。

 時間の猶予はなく、即撤退することが重要だと語りつつ、
 自らは殿軍として残ると言っているものだから、総大将らしからぬ言動。
 それでは、敵に殺してくれと言っているようなものにも思えますが、はたして。

 そんな中、黒王軍の猛攻は続き、塹壕は破られ、燃やされ、
 さらには背面から味方だった者たちから銃撃を加えられ、豊久軍は壊滅間近。
 もはや、ここまでか・・・

 

 

 

 信長、怒る。

 殿(しんがり)を務めると言い出した豊久に、怒りをぶつける信長さん。
 総大将だから「一番最初に逃げんだよ!!」と怒鳴りつけるものの、
 豊久は、自分は大将でないと返しているのが、たまらない。

 自分では、国を奪い取る知恵も、黒軍を倒す策も思いつかない。
 だから自分は総大将ではなく、その役目は信長にこそふさわしい・・・

 そして、敵は自分を総大将と思っているからこそ、
 自分が逃げ回ることで敵を引き付け、味方を逃がすことが出来る・・・と。

 まさに、己が死ぬことを見通しているような物言いであり、
 ゆえに寂しく感じられてしまいますね。

 

 

 

 与一、殴る。

 そこへ、与一が豊久に平手一撃!
 しかし、それで彼を止めるのではなく、自分の中の納得できない想いを
 ぶつける一撃だったことが、別れの挨拶であるかのようで切ない・・・

 豊久は、「この時」こんな場面を待っていたのだと、悔しそうに考える
 与一からは、死へ向かおうとする豊久を引き留めたいけど引き留められない、
 どうしようもない状況への憤懣が感じられた気がします。

 だからこそ、辛さを胸に押し込み、豊久の意を受け、
 廃城へ退くと全軍に伝えるよう指示を出している姿が、悲壮でありました。

 豊久の方も、与一に平手を食らいながらも寂しそうに笑顔を見せ、
 信長のことを頼むと述べていたのが、印象的でしたね。

 

 

 

 ハンニバル、覚醒か・・・?

 ハンニバルから声をかけられて、別れの挨拶を告げる豊久。
 「死ぬんか?」と尋ねられ、「たぶん!!」と答えていたのは、
 必ずしも死ぬとは考えていないようにもとれて、少しだけ希望を持てる気も・・・

 とはいえ、やはり命を落とす確率は高く、生き残れる気がしない。
 だからなのか、ハンニバルに「そろそろ目ェば覚ましてくれんかの」なんて
 言葉を残していたことが、豊久の彼に対する評価の高さをうかがえます。

 ハンニバルが覚醒すれば、状況を打開できる可能性が高まる。
 歴史を知っている我々からすれば理解できることですけども、
 それを豊久は肌で感じているのだから、さすがと言えるでしょうね。

 そんな豊久の言葉に「よし、死ね」と返すハンニバル。
 これは、豊久の背中を押すハナムケのようなものでしょうか・・・
 そして、ハンニバルは覚醒できたのか、これからの活躍が気になる所です。

 

 

 

 命捨てがまるは、武士の本懐か・・・

 関ケ原の戦いにて、伯父・島津義弘を守り逃がすため、
 命捨てがまる覚悟だった豊久が、今度は信長たちのために、
 ふたたび命捨てがまれることを、むしろ喜んでいる風なのは壮絶。

 それは、命を捨ててでも守りたい者がいるという幸運をかみしめているから。
 などと感じられる豊久の言葉に、色々と納得できた気がします。

 そんな彼に、ついて来る者たちもいる。
 死へ向かうだけの道へ、共に往こうとする者たちがいる。
 笑って、燃え盛る炎の中を歩む豊久たちには、悲しみも絶望もなし。

 背中から聞こえる「死ぬな」の声が届きつつ、笑みを浮かべて振り返る豊久。
 はたして、探し続けてきた死に場所を、ここで得てしまうのか?
 関ケ原で死にきれなかった自分を、ここで終わらせてしまうのか?

 もはや望みなどない状況ではありますが、それでも一縷の希望を見つけてほしい。
 そう願いつつ、今後も楽しみです!

 

◆ ヤングキングアワーズ 感想

 


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