「お気に入り」コミックス1巻作品いろいろです。
・・・が、ずいぶんと間が空いてしまって(昨年5月以来!)、数が多すぎるため、
いくつかピックアップというカタチで、何回に分けて書いてゆきたいと思います。
たぶん、抜けもあるかと・・・・・・
『マージナル・オペレーション』1巻
(原作:芝村裕吏 先生/漫画:キムラダイスケ 先生)
「30歳のニート、戦場で世界の現実を知る!」 (オビ文より)
原作は小説らしいですね、私は未読です。
主人公は、ニートの新田良太(アラタ・リョウタ)。
やがて彼は、「デスクワーク」を条件にした外資系企業の面接へ赴くことになりますが・・・
なんて感じに始まる作品。
ゲーム感覚で戦争するという言葉が、ぴったりの内容になっていますね。
ニートという立場だった主人公、ボーっとしていて、得意なのはゲームと記憶力。
ボタンを押すだけという、妙な単純作業をやらされた後、
やがてシミュレーションゲームのような訓練をさせられることになるのですが、
ここで彼の記憶力とゲーマーとしての思考が活かされて、好成績を出すことに。
しかし、まさにそのゲームこそが・・・ という展開が、
それまで現実感を伴わなかった主人公に、衝撃を与えることになります。
平和な日本でニートをしていた主人公が知る、「世界の現実」。
そうしたものの描き方はもちろん、現代戦がどのように行われるのかといったことを、
シミュレーション的にうかがえるのも、面白味になっています。
また、日本語が通じない海外で、通訳となる女性との出会いも、
ロマンスを感じさせる要素になっていたりと、今後が楽しみな作品。
やがて実戦へ投入されることになる主人公アラタの先行きに、期待です!
『乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ』1巻 (大西巷一 先生)
フス戦争を舞台に描かれる、少女の戦い。
1419年、「フス戦争」と呼ばれることになる戦いが始まります。
その翌年、騎士団に襲撃された村の生き残りである少女シャールカは、
傭兵隊長ヤン・ジシュカと出会い、戦いの運命へと身を投じてゆくことに・・・
フス戦争は、教会の腐敗を批判したヤン・フスが異端者として処刑され、
彼を支持する「フス派」と、教会勢力である「カトリック派」が対立したことから始まります。
物語では、「カトリック派」の騎士が「フス派」の民衆を一方的に殺戮。
主人公シャールカも、その被害者となりますが、そこへ現れたのが、ヤン・ジシュカ。
彼は彼女に、《笛》と呼ばれる火器を与え、戦いの道へ踏み入るよう誘います。
そして、少女は戦争の渦中へ・・・
といった内容なわけですが、フス戦争はヨーロッパ史上で初めて「銃」が使われた戦争と
言われていて、シャールカが用いることになる《笛》こそが、その「銃」なのですね。
これによってヤン・ジシュカは、非力な非戦闘員をも戦力として使いこなし、
「カトリック派」の屈強な騎士たちに対抗してゆくことになります。
などなど、フス戦争を舞台にした本作品。
少女が主人公ではありますが、容赦ない戦争描写や、
勝つためには何でもするという姿勢が、かなり残酷に描かれます。
しかし、それこそが戦争なのですよね。
そうしたものを、安易に批判的な視点で見ていない所は、私としては見事だと感じます。
物語は、十字軍によるフス派討伐へと向かうことになりますが、
この危機にジシュカは、シャールカは、どう立ち向かうのか・・・ 楽しみです!
『×××HOLiC・戻』1巻 (CLAMP 先生)
1度は終わった物語が、復活・・・?
侑子という女性が店主を務める、願いを叶えるミセ。
そこに訪れる人々の悩みが、非日常の中で描かれる作品・・・ の続編?
完結を迎えたはずの『×××HOLiC』が、タイトルに「戻(レイ)」を加えて再開。
侑子と四月一日の不可思議な物語が始まりますが、場面は“いつも通り”のミセの風景。
そこへやって来たのは、縁に導かれた女性。
彼女はなぜ、ミセへ来たのかわかっていないものの、何度もミセを訪れることに。
そしてもう1人、彼女の親友という女性も、入れ替わるようにミセへやって来るのですが・・・
といった風に、前作と同じく、不思議かつ不可解に展開。
やがて女性2人の関係と、そこに秘められた心が明らかに。
人の心にひそむ闇が、不気味に感じられる内容に、心が揺さぶられてしまいますね。
しかしタイトルの「戻」とは、どういった意味合いなのか、気になる所。
前作のラストで迎えた結末を考えますと、普通に時間が戻った場面ということなのか?
前作と同様に進行する物語ではあるものの、何かしら違ったものがあるようにも思えて、
そのあたりにも注目せざるを得ません。 今後に期待です!
『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』1巻
(原作:夢枕獏 先生/漫画:大西実生子先生)
空海と橘逸勢が、唐にて怪異と出逢う物語。
遣唐使として、唐の国へ渡った留学僧・空海。
同じく、儒学生である橘逸勢とともに、様々な怪異にまつわるものと遭遇しますが・・・
弘法大師として有名な空海。
この物語では、まだ若き留学僧でありますが、多くの人を魅了する才があり、
逸勢もまた、彼に魅せられた1人となります。
この2人を中心に物語は進行し、幻術を操る大道芸人やら、呪いをかけられた女性など、
不可思議な出来事にかかわる人々が登場し、やがて猫の妖怪が関係する事件に遭遇。
その異様な内容に、グイグイっと引き込まれてゆきました。
幻術などの知識をもつ空海と、そんなものにはまるで素人の逸勢とが、
良いコンビになって物語を引っ張ってゆきます。
そこに、怪異がもたらす事件が起きることで、
逸勢がおののき、空海が活躍するという構図が、わかりやすく痛快!
といった感じの作品となっています。
ただ、猫の妖怪がもたらす事件は、唐王朝を巻き込む大事件
になりそうな気配であり、これがメインとなってゆきそう。
どのような怪異が空海たちを待ち受けるのか・・・ 今後が楽しみです!
が、掲載誌であるサムライエースが休刊となってしまったのですよね。
なんでも映画化と共に再開する予定ではあるそうなのですが、どうなることか。
なかなか面白い作品ですので、再開に期待です!
『メイドインアビス』1巻 (つくしあきひと 先生)
秘境の大穴アビスをめぐる冒険活劇!
深さが2万メートル以上もあるという大穴アビス。
そこには、奇怪な怪物たちが棲み付き、多くの貴重な遺物が眠っていた。
それゆえに、「探窟家」と呼ばれる冒険者たちが挑むことになりますが・・・・・・
といった世界でくりひろげられる冒険物語。
母が偉大な「探窟家」だった孤児のリコが、いつか母のようにないたいと願い、
アビスへ降りてゆこうとしますが、そこで少年型のロボットと出会うことになります。
そのロボット少年レグは、自分がロボットである自覚はなく、記憶を失っており、
存在がミステリアスになっている点には、興味を引かれますね。
やがて、リコとレグはアビスの底を目指すという目的を持ちますが、
アビスは下層へ行くほど困難が多く、その道のりは険しいため、
安易に降りてゆくことができないというのが、面白い所。
さて、どうなりますか・・・ といった内容に期待が高まりますね。
そうした感じのお話ですが、絵柄だけでなく、世界の設定なども
緻密で繊細な点が、かなり魅力的な作品となっています。
現在、まんがライフWINで連載中ですので、興味にある方はぜひとも・・・・・・