五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 今月の河合荘

2017年11月04日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

ヤングキングアワーズ 2017年12月号より

 今月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら
 
 
 
 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 
 
 
 
 

●僕らはみんな河合荘 (宮原るり 先生)

 

 河合荘を出てゆく決断・・・

 律さんが、卒業後は河合荘を出てゆくなんて話をした所、
 「一番早く出るのは俺かな」と手を挙げたのは、シロさん。

 つまり、律さんの卒業前には出てゆく決心をしているということで、
 どのような心境の変化があったのか気になる内容となっていました。

 はじめ、本気で取り合わなかった麻弓さんも、シロさんの言葉が本音だと
 気付いてからは慌てつつ、呆然としているような雰囲気で、切なかった。

 出てゆく理由は「創作」のため。
 河合荘では「創作(笑)」はできたけど、本格的に創作するには
 出てゆくかねばならないと判断したようで、彼の本気度がうかがえますね。

 

 

  

 「私をおいていくなよ!」

 出てゆくと言うシロさんに対して、麻弓さんは動揺し、
 「お前はダメだろ」「ここにいなきゃ」「ずっといなきゃ」と迫りつつ、
 自分をおいていくなと心情を浴びせていたのが、たまりませんでした。

 シロさんが出てゆくことは、麻弓さんにとっては「おいていかれる」こと
 なのだと感じさせる場面に、胸が締め付けられるかのよう。

 麻弓さんのその言葉に、シロさんは一言、笑顔で謝罪していたのが印象的。
 透き通るような瞳は微塵も揺れている様子はなく、彼の覚悟が見て取れます。

 おちゃらけるでもなく、弱腰になるわけでもない態度は、本気だということ。
 それを察した麻弓さんは、悔しそうにしながら、いつもの感じでシロさんを一撃!
 住子さんや彩花さんを連れて飲みに行ってしまい、収拾がつかない状態。

 律さんも、宇佐くんと残されることを嫌がったのか、一緒に出て行ってしまって
 シロさんと宇佐くんが居残ることに・・・

 

 

 

 男性陣の会話。

 シロさんに、あれだけ創作に取り組んでいたのに、それでも出てゆかねば
 ダメなのかと宇佐くんが尋ねてますけど、それに対するシロさんの返答が
 いかにも創作者のそれだったことが、響きましたね。

 創作していても、「全然いいとこに届かなくて」「痒くて痒くて」、
 そのことが「怖い」のだと述べるシロさん。

 何が怖いのか? 「痒みがもっとヒドくなるのが?」と宇佐くんが問うと、
 「いずれ痒くなくなっちゃうのが」と答えていて、ああ、スゴイな、と。

 痒い場所があるからこそ「掻ける(書ける)」わけで、
 それがなくなってしまえば、書くこと自体ができなくなってしまうのだと、
 シロさんが自覚している点に、創作者としての真摯な姿勢を見れた気がします。

 河合荘は居心地がよい場所なのだけど、でも「書く」にはダメだったみたい
 というのは、休息の地としては最適だったものの、本格的な創作の場としては
 緊張感が足りなかった・・・なんて感じでしょうかね。

 またスランプになったら戻って来るんでしょ、と宇佐くんは言いますが、
 もうこんな楽しい「逃げ(やすみ)方」はできないと、シロさんは微笑みつつ
 語っていて、河合荘が「仮宿」であることを、いやでも印象付けられてしまいます。

 

 

 

 一方、女性陣の会話。

 麻弓さんは荒れていますけど、住子さんは冷静に受け止めています。
 それというのも、シロさんの変化の兆候に気付いていたらしく、さすがな貫禄。
 しかし、麻弓さんはシロさんに変わって欲しくなかったようで、悔しさもひとしお。

 それでも住子さんは、「理想(夢)を人に被せるのはよくない」と麻弓さんを諭し、
 そのうえで、麻弓さん自身はそのままでいいのか、どうするのかを問うています。

 他人が変わってしまうのは、当然ありうること。
 ではその時、自分がどうするのか、何をしたいのかを自覚しておくことは、
 大切なのことなのかもしれませんね・・・

 

 

  

 自分はどうしたいのか?

 律さんが、河合荘を出て行くと心変わりしたことに、困惑するばかりの宇佐くん。
 シロさんが出てゆくことに、イライラしっぱなしの麻弓さん。
 では、2人はどうするのか?

 「大きく変わる時は、自分の気持ち最優先に固めないとのまれちゃうよ」
 シロさんが宇佐くんに述べていた言葉が、変化への対応の重要なことを
 示しているようで、興味深かったですね。

 変化に対して、自分がどうするのか、どうしたいのか・・・
 結局、自分にできることって、それを決める事だけなのですよね。

 ただ傍観するのもアリといえばアリでしょうけど、それだと変わってゆく状況に
 置いていかれることになりかねず、それは宇佐くんも麻弓さんも望んでいないはず。

 麻弓さんは、住子さんに言われたことを気にしてか、キャラブレするほど
 混乱していたのが可笑しかったですけども、はたして、ここからどうなるのか。

 こんな状況で、何やらシロさんが思いついたことがあるようですけど、
 それが風向きを変えるきっかけになるのか? 何が起きるにせよ覚悟を決めつつ・・・
 今後も楽しみです!

 

◆ ヤングキングアワーズ 感想

 


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