五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ ヤングキングアワーズ 感想

2012年12月04日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

2013年1月号

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 今月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら

 今月の『僕らはみんな河合荘』感想はこちら

 今月の『ナポレオン -覇道進撃-』感想はこちら

 

 表紙は、コミックス1巻が12月10日発売の『スピリットサークル -魂環-』

 主人公フータと、彼につき従うルンですが、まだまだ謎多き作品ですね・・・

 

 

 『リュウマのガゴウ』は、民の前に引き立てられるリュウマへ、あびせられる罵声の嵐。

 人々の期待とそれを裏切った者への容赦のなさ。 いかにも人間社会といった光景です。

 そしてミズガルズ王の登場は物語の展開に何をもたらすのか・・・ ボス子の言動もね。

 

 『ワールドエンブリオ』は、日本に向けられる世界の目が厳しくなる中、決戦への準備。

 “柩(エンブリオ)”への攻撃が失敗したことで、情報公開がなされ、まったなしの盛り上がり。

 決戦へと臨むリクたちへの見送りと、友人たちの想い、全てを背負って・・・ いざ、出陣!

 

 『それでも町は廻っている』は、タケルくんのクラスで起きたある事件をめぐって大騒動に!?

 体育の時間に起きた事件は、男子たちの間で回しているノートに予告されていたらしく、

 犯人をさがすことに・・・ なんてお話でしたが、シメの探偵台詞がむなしく響くラストに苦笑。

 

 『〇ア部!葉桜中学アニマル部』は、元気な犬のシンさんが大活躍する話・・・ かな?

 おっとりサクラと、元気あり余るシンさん。 出没する盗撮犯に対して、番犬となれるのか?

 なんてお話でしたが、見事な活躍が面白く、シンさんのけなげさに笑わせてもらいました!

 

 『天にひびき』は、久住くんと波多野さんが、病院での慰問演奏会に出ることに、という話。

 波多野さん、ひそかに久住くんと2人きりが嬉しそうで可愛かったけど、残念、美月さん付!

 一般人の前で演奏することの大変さもありつつ、そこで何かを得る2人が良い感じでした。

 

 『AGEHA』は、なぜか小学生になっている心記くん。 ほのぼの始まるも、教室漂流状態!

 初めイイ人だった百足先生が本性を露わにしてたのは笑ったけど、朱波さんも負けてねぇ。

 そんな闘争が楽しかった?今回ですが、ループに慣れてきた心記くんの反省は興味深い。

 

 『裸者と裸者 邪悪なる許しがたい異端の』は、なんだこの乱痴気騒ぎはー!!??

 羽振りが良くなった双子たち、男の子を呼び、脱がしてシコって発射させてるとんでもねー!

 そんな豪遊風景に苦笑しつつも、エネルギーあふれる姿に心躍る気分。 でも、ピンチか!?

 

 『カラメルキッチュ遊撃隊』は、フリオ先生の副業話。 それは臨時ポストマンのお仕事。

 人の想いを届けるお仕事ぶりや、イホージンとの遭遇が楽しいお話。 昔話風なのもイイ。

 カランさんたちが登場しない回となりましたが、より大石先生作品らしい雰囲気でしたね。

 

 

 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 

 

 

 

【新連載!】

●起動帝國オービタリア (大井昌和 先生)

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 大井昌和先生、ご登場。

 冒頭、ロボットに乗り込んだ少年少女が描かれますが、相対するのはさらに巨大なロボ!

 ボロボロになりながらも、逆転をねらってリミッター解除をおこない、そして・・・!!

 

 「蒼の終国」と呼ばれるロボを操り、敵を倒したと思いきや、

 目が覚めた少年アルバ=アジュール。 すべては夢だったのか・・・?

 といった感じに始まりました本作品。

 ロボットを作ろうと奮闘する学生・アルバを通して、友人グプタや、少女・チチャクなどとの

 交流が描かれますが、ロボット作りに没頭しつつも成功しないアルバのコンプレックスが

 重く感じられる学園モノ的な内容となっています。

 

 しかし、そこへ空から少女が降ってきて・・・

 一気にロボットものとなってからの展開は、重しをはねのけるような爽快さがありました。

 冴えない少年のロボットに託す夢。 ここから物語がどう動いてゆくのか、楽しみです!

 

 

 

【12月10日、コミックス1巻発売!】

●スピリットサークル -魂環- (水上悟志 先生)

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 今月号の表紙にもなっている本作品、コミックス1巻発売も間近です。

 前世の因縁により、石神鉱子(コーコ)という少女に恨まれている少年・桶屋風太(フータ)。

 その因縁を知るべく、前世の記憶を夢で追うことになりますが・・・

 

 魔女を殺した騎士ヴァンとしての記憶、その物語のつづき。

 前回、なんだかんだで老境を迎えそうだったヴァンでしたが、いきなり子供を育てることに。

 レイと名付けた少女を育てつつ、自らも喜びを得ていることに気づくヴァン。

 その魂の浄化のような過程が、読んでいて気持ちの良いものでした。

 しかし、その生にもやがて終わりがやって来て・・・

 あっけなく人は死ぬ、そんな現実が滑稽ながらも、やはり哀しい。

 

 レイもまた繰り返される輪廻の中の存在のようでしたけど、はてさて。

 まあ、最後にコーコさんからかけられていた言葉は意外でもなんでもなく、

 「魔女」ってそーゆーものですから、といった感じでしょうか。

 でも、フータにとっては意外な事実。 彼はこの過去生に何を思うのか・・・

 コミックス1巻ともども、今後も楽しみです!

 

 

 

【今月のピックアップ!】

●ソレミテ (漫画:小野寺浩二 先生/総合プロデューサー:石黒正数 先生)

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 今回の霊スポットは東京タワー!

 ・・・だったのですが、これがもう面白いのなんのって!!

 笑いっぱなしだったので、思わずピックアップ感想にしちゃいました(^◇^;)

 

 もはや霊なんて出そうにない状況の中、出オチでまず笑い、

 次いで石黒先生の出オチ失敗に大笑いでしたわ!゜(*゜´∀`゜)゜

 担当・星野さんとの責任のなすりつけ合いにも笑いましたよ!

 東京タワー描くのって大変そうですものねー。

 

 あまりに出なさそうなので、場所を変える一同でしたが、ここでも笑いの連続!

 いや、これ心霊怖い現象をさがしているのに、完全にギャグですわ、面白すぎる!!

 かの有名な将門の首塚での一部始終と、石黒先生の笑顔に1人激笑でしたよ!!!

 いや~もう笑った笑った、本当面白かったです。

 そんな感じで、心霊よりも笑いの面に期待しつつ(ォィ・・・ 今後も楽しみです!

 

 

 

【コミックス4巻、ほやほや発売中~!】

●アリョーシャ! (近藤るるる 先生)

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 今回、平和を満喫しているアリョーシャ。

 中東アフグスタンにて不穏な空気が漂っていますが、日本のアリョーシャはいまだ平和。

 テストの順位で、未留さんに劇的な変化があったことはめでたいのですが、

 ひしひしと忍び寄る影が不吉な展開です。

 

 とはいえ、まかないの時間にほのぼのと同僚やコックさんと交流するアリョーシャ。

 ずいぶんとなじんでいるようで、その気持ちの良い食べっぷりには、

 周囲の人々も幸せそうな表情になるなど、心地よい空気になっていますね~。

 いつも厳しい六天さんも、アリョーシャを家族のように扱ってくれるし、

 まさに平和そのものといった雰囲気・・・

 

 だからこそ、アリョーシャがその平和を守るために戦う決意が、

 大きな説得力を持ってくるわけですね。

 そうしたことを印象付ける今回のお話は、まるで嵐の前の静けさ。

 さて、ここからどーなってしまうのか? 他の皆はどう動くのか?

 などなど、今後も楽しみです!

 

 


◆ 今月のナポレオン

2012年12月04日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

ヤングキングアワーズ 2013年1月号より

 今月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら

 今月の『僕らはみんな河合荘』感想はこちら

 

 

 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 

 

 

 

 

●ナポレオン -覇道進撃- (長谷川哲也 先生)

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 ついに、ナポレオンが皇帝に!

 連載10年というところが、これまたスゴイわけですが、まだまだ覇道も道半ば。

 今後の活躍も「皇帝」という肩書でおこなわれるかと思うと、胸が高鳴る中二な私です(^^;

 「王」ではなく、「皇帝」という称号を選んだのは、

 ブルボン王朝との違いを鮮明にして専制的なイメージを避けたからだとか、

 神聖ローマ皇帝やロシア皇帝にも張り合えるからなどと言われますね。

 

 

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 そんなめでたいエピソードの主役は、皇帝陛下ではなく、なんとダヴィッドさん!

 『マラーの死』や『アルプスを越えるナポレオン』など超有名絵画の作者先生であり、

 今回も戴冠式の絵を描くため、久々のご登場となりました。

 

 皇帝即位という一大イベントの主役が、まさか画家のダヴィッドさんとは驚きでしたよ!

 もっと裏側での政治的いざこざだの、ナポレオン視点での歓喜などが

 描かれるのかと思っていたのですけど、「1人の画家から見たナポレオン」という題材が、

 不意打ちながらも心地よい物語に仕上げられていました。 こう来るか~!

 

 

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 戴冠式にご満悦のナポレオン。

 法王を迎えながらも、自ら冠を頭に載せるふてぶてしさ。

 そこにナポレオンの意志がしっかりと感じられて、むしろ頼もしくさえもありますが、

 列席した人々のもった印象はさまざまで、とくにカルノーさんの反骨ぶりはさすが。

 冒頭、皇帝就任反対を叫ぶ彼を、タレイランが「男だな」と評していたのは印象的でした。

 

 それはともかく、戴冠式は無事終了。

 さっそくダヴィッドさんが作業に取り掛かるものの、

 その工程を視察にきた皇帝の反応をみて、何かが違うと感じ取るのですが・・・

 

 

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 「違和感がある時はテーマから洗い直すんだ」

 そう語るダヴィッドさんから、並々ならぬプロ意識を感じたのは私だけではないでしょう。

 もしかして、長谷川先生もこんな感じだったりするのでしょうか・・・? なんて考えたり(^^;

 

 しかし、ここでの相談相手が面白かった!

 “彼”との会話からヒントを得るという展開は興味深いですよ。

 皇帝誕生を望まない“彼”が、ヒントとなる適切な言葉を語っていることに

 妙な可笑しさを感じずにはいられません。 それがきっかけで、絵が完成するのですから。

 にしても、“彼”はずいぶんと丸くなったというか、憑き物が落ちたような穏やかさ。

 ダヴィッドさんとの普通の友人同士のような会話が、なんだか良い感じでしたよ。

 

 

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 そして、ついに完成する絵画『ナポレオンの戴冠式』。

 見開きでも描かれた絵には圧倒されましたね・・・ これ描いちゃうんだ!と。

 ドウノンさんまで圧倒されていたのは、画家からみた評価を表現しているわけですよね。

 細かい演出ですけど、プロが分かるプロの仕事の素晴らしさを示しているのだと感じます。

 

 で、肝心のナポレオンの感想は・・・?

 絵画を見上げながら両手を軽く広げる姿からは、神々しさがただよってくるかのよう。

 まさに彼の心に響いていることを感じさせるその情景も、また素晴らしいものでした。

 ナポレオンの真意については、エジプト遠征からの帰還後、

 ジョゼフィーヌとのやりとりなどでも描かれていましたよね。

 最後の「親父」という呼称からもわかるように、ナポレオンの特徴が表れていますし、

 何よりその特徴をテーマにすえ、絵画を軸とした物語にしているのも見事でありました。

 

 ところでダヴィッドさんの初めの案ですが、あれも実際に描かれたものらしいですね。

 その痕跡が残っているのだとか・・・ しかし、最終案になったのはあのような絵。

 なぜそうなったのか? 多く語られるのは傲慢さをなくすためということのようですが、

 今回のお話は、ナポレオンの真意を汲んだものであるという観点で描かれていて秀逸!

 もう、これ以上ないほどの内容になっていたのではないでしょうか。

 そうした素晴らしさをかみしめつつ・・・ 今後も楽しみです!

 

 

◆ ヤングキングアワーズ 感想