散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

「消費者物価指数は0.8%上昇」は適切な見出しか~「統計メール」の意見募集

2013年10月26日 | 現代社会
日頃、見慣れない経済等の統計を簡単にアクセスできるので、「統計メールニュース」は貴重な情報源だ。このブログでも「統計を読む」を副題にして3回記事にした。また、できるだけ統計図表を引用するように努めている。
 『数字から実態が暴露されるアベノミクス~統計を読む(1)・物価指数130727』

その発信元「総務省統計局」から次の文面のもと、意見募集の配信を受けた。
「PCを対象にH14年から配信している統計メールニュースです。近年、スマートフォン等への配信を希望する方が増えていることを踏まえ、下記のように簡潔な文面で送信することを検討しております。ご意見をお寄せ下さい。」

そのテスト文面の一例は「消費者物価指数は、0.8%上昇」だ。これにURLが付く。
統計表のURLが付いて、詳しく見られるようになっている。
これは8月分の消費者物価指数(全国)であって、既に記事に取り上げている。テスト文面だけでは、本質を見誤る可能性を持つことを論じた。
『悪性インフラ状態のアベノミクス~統計を読む(3)・8月物価指数130928』

従来の見出しは長く、次の様になっている。
*総合指数は2010年(平成22年)を100として100.3となり,前月に比べ0.3%の上昇,1年前に比べ0.9%の上昇。
*生鮮食品を除く総合指数は100.4となり,前月に比べ0.3%の上昇,1年前に比べ0.8%の上昇。
*食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は98.5となり,前月に比べ0.2%の上昇,1年前に比べ0.1%の下落。

しかし、これはURLをクリックすると表れる説明文そのものだ。統計表の事実を並べているが、ポイントは判り難い。筆者は次の意見を応募した。

『新たな文案は簡潔で良いと思います。統計中の要約をメールで見せる必要はないと思います。問題は、今回の例えば、「消費者物価指数は、0.8%上昇」ですが、これだけだと舌っ足らずで、「消費者物価指数は、0.8%上昇、但し、食料及びエネルギーを除く総合指数は0.1%の下落」程度までは必要です。』

『即ち、社会活動には相反する動向が含まれている可能性があるので、その点がある程度出ている統計については、統計の見方に注意を喚起する必要があります。上記の場合は全体だけですべてが同じ様な傾向と判断する可能性があります。』

統計によって、複雑化し、ブローバル化した世界で起こる現象を捉えようとするとき、構成する数値は様々な現象を圧縮して表現されている。また、現象を複数のパラメーターによる比較によって、構成する場合もある。従って、その中味を更に分析する、あるいは、他の統計データと比較する必要がある。

しかし、忙しい世の中では、少ない情報で即断しようとすることも多い。スマートフォンの普及も、そのような傾向で出てきたとも考えられるし、それを促進する一つの道具とも捉えられる。長くては読んでもらえないし、短ければ誤解される可能性が残る。

それを避ける一つの方法が、短くしながらも、大筋と相反する傾向があることも付け加えることだ。読む方も裏返しの見方をすることだ。そうすれば、統計に更に親しみを持つようになるだろう。

      
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