散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

安倍元首相の死~社会的孤独な犯人像

2022年07月10日 | 現代社会

安倍元首相が亡くなられた(22/7/8)。ご冥福をお祈りする。

昼頃、心肺停止の報をテレビで知って以降、暗い気持ちで時がたった。犯人のことも僅かながらに伝えられたが、政治的理由ではなく、個人的な気配が感じられた。そこには「社会的に孤独な中年像」が現れるだけで、自分の暗い気持ちは、その像によるものだったのではないか?

安倍氏は心肺停止で大学病院へ運ばれたが…回復の見込みがどの程度?と思いながら、読みかけの分厚い本(江藤淳は甦る)を読み続け、3時頃にテレビを点ける。ニュースで安倍夫人が奈良へ向うとのこと、やはり、ダメだろうとの気持ちになる。

先に自分史を書いたとき、浅沼稲次郎刺殺事件(当時、小学高学年)を想い出す。友人が卒業ノートに「17才を見たら右翼と思え!」と書いていた。しかし、そのような意味での政治的確信犯の姿は、今回は到底浮かんでこない。あの時は…犯人・山口乙矢が確信犯として壇上に駆け登って短刀で浅沼の腹を刺す場面…写真が雑誌に掲載されていた!

翌朝、土曜日、ツイッター上、当時の池田勇人首相による国会での「浅沼追悼演説」を紹介する方がおられた。その素晴らしい演説を改めて想い起す。今回の事件で発言した政治家並びに政治関心層の政治感覚は、当時の“庶民的政治感覚”からかけ離れたものへ変質した様に思える。

先進国・日本の選挙運動風景から、期日前投票を終えた筆者は、美辞麗句で飾られた多くの政治家及びその志望者と、圧倒的多くの、無言で孤独な個人の集合体を改めて思い浮かべる。それが犯人像、社会的孤立の中年像と結びつき、事件から暗いイメージを感じたように思える。


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