散歩から探検へ~政治を動かすもの

自己認識の学・永井陽之助の政治学を支柱に、自由人による主体的浮動層の形成を目指し、政治状況の認識・評価・態度を語ります。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

「国家と体制」と「軍事的脅威」~北朝鮮をめぐって

2018年03月08日 | 個人史
国家と体制とは区別される。また、脅威とはモノのように存在するのではなく、相手に対して感じる心理的な状況だ。従って、以下の韓国・北朝鮮会談は内容のないもと感じる。

報道によれば、北朝鮮・金正恩主席は「体制の安全が保障され、軍事脅威がないなら核保有の理由はない」と韓国側に話したとのこと。
韓国側はこれを北朝鮮の「非核化への意思」を確認できたとして、米朝対話をトランプ大統領へ要請するとのこと。

体制という言葉が日成から正恩に至るいわゆる「金王朝体制」を示すならば、米国は何も保障はできない。王朝が自壊することもあり得るからだ。また、反乱が起きて混沌とした状況にもなり得る。だから、金正恩体制後に粛清があり、兄弟の不審死が起きた。独裁政権においては“権力継承のルール”が確立されておらず、本質的な不確実性があるからだ。
一方、国家としての北朝鮮は国連にも加盟しており、政変があっても政権が確立すれば、その政権は承認されうる。

朝鮮戦争は北朝鮮の韓国への侵略から始まり、今、朝鮮半島は休戦状態だ。休戦協定は「最終的な平和解決が成立するまで朝鮮における戦争行為とあらゆる武力行使の完全な停止を保証する」と規定している。しかし、休戦協定によって朝鮮半島に軍事境界線ができ、軍隊が対峙している状態だ。韓国側の国連軍は実質的には米軍だ。双方とも軍事的脅威を感じるから軍隊が対峙し、対峙することによって更に感じる脅威は大きくなる。

以上のことから何に向かって米国・北朝鮮会談を推進するのか、韓国の意図が不明なのだ。現政権の対北宥和作戦という国内向けの政治活動にも思える。一方、北朝鮮は核兵器開発は進んだが、国の威信が上がったわけでもなく、経済制裁の重荷を背負って一時逃れが必要になっている。その意味では南北共に政権側の思惑が一致したように見える。

さて、日本は、北朝鮮に振り上げたこぶしを簡単にはおろせないだろう。


コメント
この記事をはてなブックマークに追加