『市民による川崎市議会白書』を企画し、2009、2010年度と続けて編集・発行してきた。今回は2011-2014年度の4年分をまとめる。
『「市民による川崎市議会白書2011-2014」基本構想140325』
その中で、何をもって議会の成果を評価し、市政への貢献度を測るのか、市民の側としても問われる処だ。先の企画書においては“「意思決定」の分類・整理”を掲げた。処で、川崎市議会基本条例は、議会の役割として以下を規定する。
第一に「意思決定」、
第二に事業に対する監視・評価。
では、役割に対して、貢献度の評価は何か?
先ず、意思決定。
「1.承認型意思決定」:圧倒的に多い
首長提案をそのまま認める
「2.提案型意思決定」:四つ葉のクローバー的な稀少価値
議員・委員会提案による条例の制定・改定
(修正、附帯条項追加、附帯決議等を含む)
川崎市議会は、この三年間で、子ども虐待防止条例、自殺防止条例を制定した。これは高く評価できる。しかし、ニッチな政策領域での理念条例である。年に一本の条例を上げれば良いわけではない。
次に、監視・評価。
議員は、行政のチェックを厳しく行い、具体的な問題点を行政側との質疑を通して明らかにし、政策に落とし込む必要がある。しかし、現状での質疑は「状況把握質問」に終始することが大部分だ。質問そのものよりも、行政側の答弁だけが結果として残る。
かつて、片山前総務相が、地方議会は「学芸会」と述べた様に、質疑応答は事前の摺合せによって、シナリオが出来上がり、特に答弁側の局長は原稿の棒読みになる。何が質問から得られた新たな施策なのか、不明なのだ。
議会は先ず、本会議及び委員会審議での議事を政策毎にまとめることが必要だ。求められるのは議会の成果だからだ。
しかし、議会改革が進展した地方議会は数多くあるが、その自治体行政への“議会”の貢献度は明らかではない。川崎市議会は“議員・会派” 責任制だから尚更だ。これが一般的な議会の姿だが、それ故、議会の貢献が曖昧になる。
『自治体行政への議会の貢献度~議会改革から抜け落ちる部分140911』
そこで、市民として先の『市議会白書』の中では、「重要政策」を設定、年間での会派質問、議員質問、委員会質疑をまとめ、その中での主要な質疑を抽出し、「何を進展させたのか」を評価した。
2010年度では「行財政改革」「保育待機児童」「中学校給食」等11件を取り上げた。但し、重要項目でも取り上げるに足る質問がないものもある。
例えば、「行財政改革」では、世界的経済危機の影響等、想定を越える環境変化の中で、市政は人口減少社会を見据えた公共サービス提供システムへ転換を図る必要がある。しかし、議会の質問は単発的な項目だけで、低調である、と白書は指摘する。議員は財政については何も言えないのだ。
それでも請願・陳情案件「地下室マンション条例改定」「助産所活用」は、議員の質疑に具体的事項で行政に迫るものが示され、質的に向上させる提案になった。また、その後の調査で、前者は条例改定、後者は新規事業になったことが判った。
この「重要政策」を設定して、関連する質疑をまとめ、議会そのものの活動を評価する方法は“インパクト”があった!
その後、議会HPに「主な施策に対する審議内容の紹介」欄が新たに開設された。将に「白書」で狙った政策に関する質疑のまとめだ。私たちが開発した方法は“尺度”として十分ではないが、的を射ていることは確かだ。
議会は、個々の政策に対する議会の貢献度を自ら追求し、評価すべきだ。議会による「議会白書」を刊行する地方議会が出てくることを望みたい。
『「市民による川崎市議会白書2011-2014」基本構想140325』
その中で、何をもって議会の成果を評価し、市政への貢献度を測るのか、市民の側としても問われる処だ。先の企画書においては“「意思決定」の分類・整理”を掲げた。処で、川崎市議会基本条例は、議会の役割として以下を規定する。
第一に「意思決定」、
第二に事業に対する監視・評価。
では、役割に対して、貢献度の評価は何か?
先ず、意思決定。
「1.承認型意思決定」:圧倒的に多い
首長提案をそのまま認める
「2.提案型意思決定」:四つ葉のクローバー的な稀少価値
議員・委員会提案による条例の制定・改定
(修正、附帯条項追加、附帯決議等を含む)
川崎市議会は、この三年間で、子ども虐待防止条例、自殺防止条例を制定した。これは高く評価できる。しかし、ニッチな政策領域での理念条例である。年に一本の条例を上げれば良いわけではない。
次に、監視・評価。
議員は、行政のチェックを厳しく行い、具体的な問題点を行政側との質疑を通して明らかにし、政策に落とし込む必要がある。しかし、現状での質疑は「状況把握質問」に終始することが大部分だ。質問そのものよりも、行政側の答弁だけが結果として残る。
かつて、片山前総務相が、地方議会は「学芸会」と述べた様に、質疑応答は事前の摺合せによって、シナリオが出来上がり、特に答弁側の局長は原稿の棒読みになる。何が質問から得られた新たな施策なのか、不明なのだ。
議会は先ず、本会議及び委員会審議での議事を政策毎にまとめることが必要だ。求められるのは議会の成果だからだ。
しかし、議会改革が進展した地方議会は数多くあるが、その自治体行政への“議会”の貢献度は明らかではない。川崎市議会は“議員・会派” 責任制だから尚更だ。これが一般的な議会の姿だが、それ故、議会の貢献が曖昧になる。
『自治体行政への議会の貢献度~議会改革から抜け落ちる部分140911』
そこで、市民として先の『市議会白書』の中では、「重要政策」を設定、年間での会派質問、議員質問、委員会質疑をまとめ、その中での主要な質疑を抽出し、「何を進展させたのか」を評価した。
2010年度では「行財政改革」「保育待機児童」「中学校給食」等11件を取り上げた。但し、重要項目でも取り上げるに足る質問がないものもある。
例えば、「行財政改革」では、世界的経済危機の影響等、想定を越える環境変化の中で、市政は人口減少社会を見据えた公共サービス提供システムへ転換を図る必要がある。しかし、議会の質問は単発的な項目だけで、低調である、と白書は指摘する。議員は財政については何も言えないのだ。
それでも請願・陳情案件「地下室マンション条例改定」「助産所活用」は、議員の質疑に具体的事項で行政に迫るものが示され、質的に向上させる提案になった。また、その後の調査で、前者は条例改定、後者は新規事業になったことが判った。
この「重要政策」を設定して、関連する質疑をまとめ、議会そのものの活動を評価する方法は“インパクト”があった!
その後、議会HPに「主な施策に対する審議内容の紹介」欄が新たに開設された。将に「白書」で狙った政策に関する質疑のまとめだ。私たちが開発した方法は“尺度”として十分ではないが、的を射ていることは確かだ。
議会は、個々の政策に対する議会の貢献度を自ら追求し、評価すべきだ。議会による「議会白書」を刊行する地方議会が出てくることを望みたい。