緊急事態宣言は延長され、肝心のワクチン接種は先進諸国に後れをとっている。オリンピックの開催に関しても政府の判断はなし崩しに開始するかのようだ。明確な判断基準も示されていない。特に自民「菅―二階」の政治体制はその権力を平時の国内調整でたたき上げた政治家によるものであるから、準有事体制を必要とするコロナ禍においては全くの処、不向きと言わざるを得ない。
日経新聞(5/20)で秋田浩之氏は日本の国家体制は平時から準有事体制への切換ができない「欠点」を持つ。それは戦後の日米安保に由来すると指摘する。法的強制力はなく、外出自粛や休業を行政が国民に「お願い」しかない現状はその象徴だとする。
一方、氏は「統制=危機対応力の強化」ではないとする。しかし、緊急時に私権を制限し、国家が統制を強められる体制づくりをしても危機対応力は高まらない。戦前の政治体制がそうであったように!
根本的な欠点を改めることが必要だと主張する。それは以下の三点だ。
(1)戦略の優先順位をはっきりさせず、泥縄式に対応する体質
(2)行政の縦割り組織の弊害
(3)「何とかなる」という根拠なき楽観思考
TBS放映の「関口宏のもう一度 近現代史」は昨日、「真珠湾攻撃」まで辿り着いた。従って、最近の放映では上記の欠点が枚挙にいとまがないほど挙げられてきた。
コロナ禍における「安倍・管」政権もアベノマスクの奇策は笑い話として残るだろうが、そのほかは残すのは教訓をだけにならないことを期待したい。