散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

変動する社会における“倫理”

2023年02月13日 | 現代社会

「同性婚」に対する保守主義の発想(参照2/6付)は、首相自身の「制度を改正…家族観や価値観、社会が変わってしまう課題」に表現されている。しかし、これは政治的保守主義に対する一つの突破口になるかも知れないが、広がりは限定的であろう。

しかし、女性の社会進出と出生率の低下、ベビーブーム(団塊)世代の減少は、家族観とそれに伴う価値観、それは高度経済成長時代以降、サラリーマン、マイホーム、中流等で表現され、それらは現在、確実に変化している。

今後、その原動力になるのはITの社会全体の滲透に基づく「DX技術」だと言われている。すると人にとって必要なのは「企業精神」となる。何だか、マックス・ウエーバーにおける「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」の時代に似ているような!

しかし、“倫理”については今の時代、皆目見当が就いていない世界になっている。


政治的保守主義の典型的発想(2)

2023年02月06日 | 政治

3日付けの表題(1)の続きを書くつもりは無かったが、荒井首相秘書官が首相に対する忖度か、「同性婚によって、社会が変わる」との発想のもと、松野博一官房長官に続いて保守主義者の本音を記者団にオフレコで話した。

報道によれば、荒井勝喜首相秘書官が3日夜、オフレコを前提とした記者団の取材で性的少数者に関して述べた。

主な発言は、(同性婚制度の導入について)社会が変わる。社会に与える影響が大きい

 ・マイナスだ。秘書官室もみんな反対する

 ・隣に住んでいるのもちょっと嫌だ

 ・同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる

3日付けの本文で筆者は、以下を典型的な保守主義者の発想として示した。

松野「日本の家族のあり方の根幹にかかわる問題」

岸田「制度を改正…家族観や価値観、社会が変わってしまう課題」

続いて、筆者の感想を述べた。

極小数の例に対して、「根幹にかかわる」、「社会が変わってしまう」とは!認めたとしても社会が変わるわけでもなく、他の価値観も含めて共生は可能であろう。

3名の発言を並べると、岸田の発言を松野、荒井が重ねて解説しているように思える。

その根っこには戦後高度成長時代の農村から都市への人口移動、サラリーマン社会の成立による家族構成に起因していると思える。その行き詰まりに対する保守流の抵抗が政治の上層を支配しているかのようである。

 


政治的保守主義の典型的発想

2023年02月03日 | 政治

日本の「政治的保守主義」の典型的発想が以下の日経新聞2月3日朝刊記事に出ていた。

松野博一官房長官は2日の記者会見で、

同性婚制度の導入を巡り「親族の範囲など国民生活の基本にかかわり、社会全体に影響を与えうる」と述べた。「日本の家族のあり方の根幹にかかわる問題で、極めて慎重な検討を要する」とも語った。

日本に同性婚の制度はないが自治体レベルでは性的少数者(LGBTQ)カップルの家族関係を公的に認める動きがある。

岸田文雄首相は1日の衆院予算委員会で「制度を改正するとなると、家族観や価値観、社会が変わってしまう課題だ」と指摘した。「社会全体の雰囲気のありようにしっかり思いをめぐらせたうえで判断することが大事だ」とも強調した。

以下が典型的な発想と言える。

松野「日本の家族のあり方の根幹にかかわる問題」

岸田「制度を改正…家族観や価値観、社会が変わってしまう課題」

極小数の例に対して、「根幹にかかわる」、「社会が変わってしまう」とは!認めたとしても社会が変わるわけでもなく、他の価値観も含めて共生は可能であろう。

なお、川崎市は性的少数者(LGBT)が抱える生きづらさを解消する目的で、当事者自身がお互いをパートナーであると宣誓し、市が宣誓の事実を公的に認める「川崎市パートナーシップ宣誓制度」の運用をしている。全国で約50の自治体が同様の制度を導入とのことだ。

日経新聞2月3日朝刊記事

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA028OK0S3A200C2000000/