散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

数字から実態が判るアベノミクス;物価指数~経済統計を読む(1)

2013年07月27日 | 経済
総務省統計局は、6月の消費者物価指数を発表した。インフレターゲットを設定したアベノミクスにとって、物価上昇が望ましいという。しかし、いつの時代でもそうだが、庶民にとって、物価上昇はゴメンなのだ。この違いを消費者物価指数(CPI)の内容から読み取らないと、私たちは誤魔化されるのだ。
 
月次(前年同月比 %)
  2013年  3月   4月   5月   6月
1)総合   ▲0.9   ▲0.7  ▲0.3    0.2
2)総合   ▲0.5   ▲0.4   0.0    0.4
  (生鮮食品を除く)
3)総合   ▲0.8   ▲0.6  ▲0.4   ▲0.2
  (食料及びエネルギーを除く)

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なお、総務省統計局「統計メールニュース・サービス」がメルマガ形式で配信されており、筆者も活用している。
 http://www.stat.go.jp/info/mail/index.htm
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2010年(平成22年)を100として、
1)総合指数は99.8、前月と同水準、1年前に比べ0.2%の上昇。
2)生鮮食品を除く総合指数は100.0、前月と同水準、1年前に比べ0.4%の上昇。
3)食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は98.3、前月比0.1%の下落、
 1年前に比べ0.2%下落。

1年前の比較を見れば、エネルギーを除いた3)で下落、しかし、総合2)で0.4%の上昇だ。これは電気やガソリン代の値上げによる…と考えて、統計の中味をよく見ると、上昇分として以下のデータを見出せる。
『光熱・水道電気代 9.8%(0.34)』
『交通・通信自動車等関係費3.4%(0.28)・・・ガソリン6.4%(0.16)など』
原発稼働中止・火力増強、円安による輸入価格値上がりのダブルパンチが大きい。

更に、ここでは紹介を省くが、速報として、7月の東京都区部のCPIでは、生鮮食品が前年同月比2.1%増、この暑さで、キャベツ、レタス、ホウレンソウなどの葉物野菜に価格上昇の影響が出ているようだ。なお、このデータは全国の先行指標となっているので、その意味でも注目される。

処で、冒頭に述べたように、企業収益改善―勤労者所得上昇-物価指数上昇のサイクルに乗る「良性インフレ」と、輸入品の値上がり、金融・通貨政策の結果等による「悪性インフラ」があるので注意が必要だ。

円安によって、輸出企業は差益で利益が大きくなったが、一部の大企業だけに集中し、株価上昇も株主だけの利益であって、総じて消費も贅沢品が引っ張っているとの報道が最近よく聞かれる。

今回の物価指数は当然、私たち、多くの庶民の実感を反映している。NHKに出てくる経済専門家は「良性インフレ」に部分をしきりに強調しているが、安部政権の提灯持ちをしていてだけに感じる。自分で出来るだけ統計数字に接することは、マスメディアによる固定観念から発する情報に疑問を持つ手掛かりになるはずだ。

      
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