散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

大相撲での「女性差別」~差別意識の根底にあるもの(1)

2018年04月07日 | 政治理論
 報道によれば、京都府舞鶴市での大相撲巡業で、土俵上でのあいさつ最中に市長が倒れた。周りが右往左往するなかで、土俵に上がって心臓マッサージをしている女性に「女性の方は土俵から降りてください」との場内アナウンスが繰り返された。

 日本相撲協会は慌てて、その女性に対する謝罪コメントを出した。それは「場内アナウンス担当の行司が、気が動転して呼びかけたもの」との言い訳でもあった。言い訳の出汁に観客も動員されていたが。

 突然の出来事の対応にこそ、その組織の本質が明らかになることは、昨今の財務省関連に事件で良く判ったはずだ。硬直化して、機械仕掛けの様な行動を懸命になって行うのだ。

 その行司は女性差別の信念を持つわけではなかったと推察する。ただ、何も考えずに、素早く反応したのだ。それは組織の規則を忠実に反映している。

 ハンナ・アーレントに倣って言えば、ナチスドイツのアイヒマンの様に“陳腐な差別行為”を、それと意識せずに、多少慌てたが、いつものように、行っただけだった。
 『エルサレムのアイヒマン』(みすず書房)

     


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