彼は相変わらずスリムである
二人の揃い踏み
学生時代を一緒に過ごした50年来の友人と久しぶりに名古屋で合うことになった。一人は高校ー大学と7年間共に過ごし、学部も下宿も同じだった友人のK君だ。もうひとりは学部は違うが大学時代の下宿だったお寺で隣の部屋に来た男で彼が名古屋出身だったこともあり、以来50年近くお付き合いをさせていただいている、一年後輩のM君である。
ところが昼に名古屋駅港内で待ち合わせの約束で行ってみると、K君はいたが、M君の姿が見えない。なんでも来週から入院だと聞いているので、溶体でも急変したかと心配になる。約束時間を過ぎても連絡がない。10分毎に携帯電話にかけても留守電になってしまう。
30分ほど待ったが姿を現さないので、やむを得ず二人だけで昼飯に行くことにした。Kくんの話はいつも歯切れがよく、聞いていても気持ちが良い。昼間からワインを楽しみながら近況報告をお互いにしあっていて、ふと携帯を見たら、くだんの後輩から着信があった。
こちらから改めてかけ直してみると、なんと自宅にいるとのこと。約束を翌日と勘違いしていたという。すぐ出ておいでと誘い、名古屋駅で待ち合わせる。昨年のクラス会でK君もやらかした日程の勘違いを彼もやらかしたらしい。
30分後無事に顔合わせが出来、とりとめもない話が弾んだ。なにか目的があるわけでもないのに、こうして顔を合わせるだけで、癒やされるのはなぜなんだろう。旧友とはありがたいものである。