林の中の簡素な店
以前訪れたのは、もうかれこれ25年、4半世紀前にもなろうか。山梨の長坂にある蕎麦店、翁に来た。
バブル早期の頃、TVで紹介されていたこの店のご主人は、新宿区下落合に店を構えていたが、すこぶる凝り性で、とうとう蕎麦を自分で栽培するところまで打ち込み、店を畳んでそば畑の近くの長坂へ店を移したという。
当時は一枚の蕎麦を食べるため、東京から通ってくる常連もあったという。その報道を聞き、ゴルデンウィークの最中の5月4日に来てみたら「火曜定休日」の看板がかかっていて、刈谷からの無駄足を踏んだ記憶がある。
その後やっと入れた時に、ねぎ味噌で冷酒を楽しんでいたら、行列で並んでいた人が窓からテーブルを覗きこんで「早く済ませろ」と言わんばかりの眼で睨まれたのを思い出す。ゆとりがないなあ。
清春美術館の横に立つ店は今も林の中にあり、店の前に順番待ち用のベンチが2脚木陰においてあるのが懐かしい。店の中は4人掛テーブル席が4つ、小上がりが一つと簡素で、ピカピカに磨き上げられている。
メニューも簡潔、注文を取りに来る男の職人(見習い?)も無駄口なし、キビキビと気持ちがよい。蕎麦は更科系のきりりとしたものと少し太めの田舎そばの2種類、ざるのみ。贅肉をスッキリ落としたような、客あしらいと蕎麦の味を堪能した。寿司職人は話題も腕のうちだろうが、蕎麦は職人そっちのけで黙ってすするのがいいのでは?ここは名店だと思う。
以前訪れたのは、もうかれこれ25年、4半世紀前にもなろうか。山梨の長坂にある蕎麦店、翁に来た。
バブル早期の頃、TVで紹介されていたこの店のご主人は、新宿区下落合に店を構えていたが、すこぶる凝り性で、とうとう蕎麦を自分で栽培するところまで打ち込み、店を畳んでそば畑の近くの長坂へ店を移したという。
当時は一枚の蕎麦を食べるため、東京から通ってくる常連もあったという。その報道を聞き、ゴルデンウィークの最中の5月4日に来てみたら「火曜定休日」の看板がかかっていて、刈谷からの無駄足を踏んだ記憶がある。
その後やっと入れた時に、ねぎ味噌で冷酒を楽しんでいたら、行列で並んでいた人が窓からテーブルを覗きこんで「早く済ませろ」と言わんばかりの眼で睨まれたのを思い出す。ゆとりがないなあ。
清春美術館の横に立つ店は今も林の中にあり、店の前に順番待ち用のベンチが2脚木陰においてあるのが懐かしい。店の中は4人掛テーブル席が4つ、小上がりが一つと簡素で、ピカピカに磨き上げられている。
メニューも簡潔、注文を取りに来る男の職人(見習い?)も無駄口なし、キビキビと気持ちがよい。蕎麦は更科系のきりりとしたものと少し太めの田舎そばの2種類、ざるのみ。贅肉をスッキリ落としたような、客あしらいと蕎麦の味を堪能した。寿司職人は話題も腕のうちだろうが、蕎麦は職人そっちのけで黙ってすするのがいいのでは?ここは名店だと思う。