5/8のロータリークラブ例会で次のような挨拶をしました。
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今年の国際ロータリーのテーマは
「SERVICE Above Self 超我の奉仕」です。
「利己を超えた奉仕をしよう」とでも訳するのでしょうか。
ロータリークラブは、100年前の発足当初
荒れ果てたシカゴの社会の中で心を許せる友人が欲しかった、
また仲間には商売上で特別の便宜を図りあおうという
比較的個人的、閉鎖的な会としてスタートしたそうです。
会合の場所も、会員の事業所を順番に使ったところから
「ロータリークラブ」と称したようです。
後年、ロータリークラブ独特の職業奉仕(職業の社会的側面に着目する)や、
4つのテストという考え方が採用され、
社会性が出てきて急速に発展したのだと思われます。
国際ロータリークラブ
さて、先日滋賀県東近江市の白壁と
蔵屋敷の近江商人のふるさと五個荘へ行ってまいりました。
近江商人の一人、小杉元蔵は明治元年12月28日の日記にこう記しています。
「商人の道ならば、まず金を儲けなくては一生ひとにうとまれる。
なんでもかんでも金は儲けたいものだ」
来春より独立することがきまり、
本格的に商いの道へと踏み出した一人の商人の
偽らざる意気込みが伝わってきます。
ところが翌日、仕事納めを終えた元蔵の日記には
お世話になった人の名前を挙げ
「御蔭にて人となり、有難き事なり、・・・
鳥は野山の木に止まる、人はなさけの下にすむなるべし」
と記しました。
「人の助けによって一人前の人になった、
人は人の情けによって生きることができる」
という感慨を述べています。
また、近江商人の格言として有名な
「売り手よし、買い手よし、世間によし」
の三方よしは、江戸中期の麻布商
中村治兵衛宗岸(1684~1757)の言葉であるといわれます。
2代目治兵衛は16歳の跡継ぎ宗次郎のために記した遺言状で述べています。
「他国へ商売に出かけても、自分の持ち下った商品が
この国のすべての人々皆に気持ちよく着られるようにと、
自分の利益ばかりを思わず、お客様が良いようにと思い、高利を望まず、
・・・
ただひたすらにそのいく先の人を大切に思わねばならない」
天秤棒を担ぎ全国へと旅立ち、
一年のほとんどを他国で暮らす商人たちは
自分たちが常によそ者として見られていることを
強く意識し、通常以上に自分の行いや態度に注意を払っていたのです。
(近江商人博物館 「商家の家訓」より)
ロータリーの職業奉仕の精神は、
日本では300年以上まえに「三方よし」の精神として
既に認識されていたのではないか、
またグローバル時代の今日、世界へ通用するものではないかと思います。
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今年の国際ロータリーのテーマは
「SERVICE Above Self 超我の奉仕」です。
「利己を超えた奉仕をしよう」とでも訳するのでしょうか。
ロータリークラブは、100年前の発足当初
荒れ果てたシカゴの社会の中で心を許せる友人が欲しかった、
また仲間には商売上で特別の便宜を図りあおうという
比較的個人的、閉鎖的な会としてスタートしたそうです。
会合の場所も、会員の事業所を順番に使ったところから
「ロータリークラブ」と称したようです。
後年、ロータリークラブ独特の職業奉仕(職業の社会的側面に着目する)や、
4つのテストという考え方が採用され、
社会性が出てきて急速に発展したのだと思われます。
国際ロータリークラブ
さて、先日滋賀県東近江市の白壁と
蔵屋敷の近江商人のふるさと五個荘へ行ってまいりました。
近江商人の一人、小杉元蔵は明治元年12月28日の日記にこう記しています。
「商人の道ならば、まず金を儲けなくては一生ひとにうとまれる。
なんでもかんでも金は儲けたいものだ」
来春より独立することがきまり、
本格的に商いの道へと踏み出した一人の商人の
偽らざる意気込みが伝わってきます。
ところが翌日、仕事納めを終えた元蔵の日記には
お世話になった人の名前を挙げ
「御蔭にて人となり、有難き事なり、・・・
鳥は野山の木に止まる、人はなさけの下にすむなるべし」
と記しました。
「人の助けによって一人前の人になった、
人は人の情けによって生きることができる」
という感慨を述べています。
また、近江商人の格言として有名な
「売り手よし、買い手よし、世間によし」
の三方よしは、江戸中期の麻布商
中村治兵衛宗岸(1684~1757)の言葉であるといわれます。
2代目治兵衛は16歳の跡継ぎ宗次郎のために記した遺言状で述べています。
「他国へ商売に出かけても、自分の持ち下った商品が
この国のすべての人々皆に気持ちよく着られるようにと、
自分の利益ばかりを思わず、お客様が良いようにと思い、高利を望まず、
・・・
ただひたすらにそのいく先の人を大切に思わねばならない」
天秤棒を担ぎ全国へと旅立ち、
一年のほとんどを他国で暮らす商人たちは
自分たちが常によそ者として見られていることを
強く意識し、通常以上に自分の行いや態度に注意を払っていたのです。
(近江商人博物館 「商家の家訓」より)
ロータリーの職業奉仕の精神は、
日本では300年以上まえに「三方よし」の精神として
既に認識されていたのではないか、
またグローバル時代の今日、世界へ通用するものではないかと思います。