これは大傑作。
3時間もの長尺にも関わらず一気に観てしまった、「砂の器」との双璧らしいが、「砂」と比較するのはどうか?と言うのが素直な感想。
(実はHDDの主みたいな存在になっていたので板にダビングしようとしてつい最後まで見てしまった。)
女優の左幸子がうぶな娘から田舎の娼妓、そして10年後に舞鶴まで主人公を訪ねるあでやかな姿、と時代を経た女性を綺麗に演じ分けている。
そして伴順三郎のボクトツとした田舎刑事と、どん底から這い上がる三国連太郎の犯人も見事、前半の物語はこの三者が見事に絡まって進行し、後半は舞鶴の刑事高倉健が加わって舞鶴の事件と北海道の事件が線でつながるとこなぞは推理物の真骨頂の様な展開、原作も良かっただろうが(未読)映像化した監督の力量も見事。
今じゃ監督や役者が揃わないからどれだけお金を掛けても出来ないだろうと思う、かつて名画劇場で内田吐夢監督特集で掛った時に観ておくべきであった。
これはお勧め、絶対に損の無い映画。
〔内容〕
昭和22年に青函連絡船沈没事故と北海道岩内での大規模火災が同時に起きる。
火災は質屋の店主を殺害し金品を奪った犯人による放火と判明。そして転覆した連絡船からは二人の身元不明死体が見つかり質屋に押し入った三人組強盗のうちの二人であることが分かる。
函館警察の弓坂刑事は、事件の夜に姿を消した犬飼多吉という男を追って下北半島へ赴く。
この物語は実在の「洞爺丸事故」を元ネタにしたものらしい。
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