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大羊居と龍村展

江戸染繍の最高峰と称される大羊居(たいようきょ)と西陣織の名門

龍村美術織物の競演です。

染と織の東西の名門は、それぞれ個性豊かで独創的な作風が

共通しますが、その相性たるや他の追随を許さない格別のものです。

【大羊居のはじまり】

江戸時代、老中田沼意次の治世下の安永年間に大黒屋幸吉が呉服

太物業を創業しました。屋号は「大幸」。これが現在の「大羊居」に

つながる遠祖です。また、手広く幕府の御用を承っていた両国の河村

仁兵衛の長男彦兵衛が大幸の養子となり「大彦」を名乗ります。

明治21年、日本橋橘町の大彦・野口彦兵衛に長男が誕生。これが野口

功造。現在の大羊居の作風を作り上げた、染織界の巨匠です。功造は

初め京都の呉服商・大橋で修業をし、後に生家・大彦に戻り、そして

大羊居を創業します。

【龍村美術織物】

明治9年、初代龍村平蔵は大阪の両替商の長男に生まれましたが

16才の時に家業が破たんし、手に職をつけるべく織物の世界に

身を投じます。もともと芸術的感性に恵まれていた平蔵は、織物を

美的な対象として捉え、その組織の面白さに魅せられ、次々と

新組織を創案しました。

平蔵をモデルとした宮尾登美子の小説「錦」には、その生涯が詳しく

描かれています。

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