北の風に吹かれて~独り漫遊記~

町歩きを中心に、日々の出来事を綴ります。 
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山とは関係なし

2018-08-14 20:19:09 | 釧路&釧根地方



JR根室本線で釧路の隣の「新富士」駅。
利用したことはないけど、ちょこっとお邪魔。








普通列車しか停車しないけど、貨物列車用のレールもあり、コンテナ置き場としてのスペースもあり、物流の基地としても利用されているようです。





駅前にある町名表示。
ここでちょっと気になったことが。
この駅名と町名って、どんな由来があるのだろう?
これはちょっとアイヌ語由来ではなさそうだし、かといって、ここから一番近い「富士」と名のつく山(「阿寒富士」)も、ちょっとここから離れてて、町名にするにはちょっと・・・だし。(因みに、これくらい離れています。)





ん?いきなり製紙工場?
いえいえ、いきなりではありません。実はこの工場と、「新富士」という駅名、町名は大いに関係があるのです。





北海道では、江別や苫小牧、旭川などのほか、釧路も製紙産業が盛んな町として知られていますが、釧路の製紙産業は、1901年(明治34年)、農商務次官であった前田正名という人物が、釧路町の天寧(てんねる)に「前田製紙工場」を設立したことに始まります。
この「前田製紙工場」は、1年で操業停止された後「北海紙料株式会社」に改組され、後に「富士製紙」という会社の第4工場として再開されましたが、1913年(大正2年)に火事で焼失してしまいました。
1916年(同5年)、工場焼失後に再建の動きがないことに目を付けた「北海道興業株式会社」が当時の釧路町、鳥取村との間で、製紙工場建設に関する協定を締結し、1919年(同8年)に「富士製紙」に合併。翌1920年(同9年)に、鳥取村(現在の新釧路川の河口付近)に「富士製紙釧路工場」が誕生しました。

と、ここまで書けば何となくピンとくるかもしれませんが、「新富士」という駅名は、この「富士製紙」に由来しているのです。
何ゆえ「新」がついているかというと、当時、「富士」という駅が既に静岡県にあったからだそうですが、1988年(昭和63年)には、東海道新幹線に「新富士」駅が誕生し、現在は、日本国内には「新富士」という名の駅が二つあるという、面白いというか興味深い状態になっています。

その後、この「富士製紙釧路工場」は、1933年(昭和8年)の「王子製紙」への吸収合併により、「王子製紙釧路工場」となり、1949年(同24年)の王子製紙解体に伴う「十條製紙」への移管を経て、1993年(平成5年)、「山陽国策パルプ」との合併により「日本製紙」が設立されたことで、「日本製紙釧路工場」となっています。





工場敷地内は、言うに及ばず、関係者以外立入禁止です。





工場に近くにある「日本製紙アイスアリーナ」。
「日本製紙クレインズ」というアイスホッケーチームの拠点として知られています。

(工場とアイスアリーナの位置はこちら
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