私もそうでしたが、今日から仕事開始という方が多いかと思います。
2024年の「事始め」は公私問わず様々あるかと思いますが、様々なことが良い方向へ進んでいけるようにと願いたいものですね。
今日は、その「事始め」に関する話題を一つ。
札幌市内のほぼ中心部、大通公園から1条ほど南へ行ったところにあるビルの一階にあるクリーニング店。
「さっぽろ文庫」第7巻「札幌事始」によると、ここは、札幌におけるクリーニング業界の発祥に繋がるお店だそうです。
北海道におけるクリーニング業の始まりを起こしたのは、現在の神奈川県出身の「伊藤辰造」という人物で、伊藤氏は、渡英の志を抱いて18歳で外国船に乗船し、病に罹患して渡英を断念するも、開拓使外事課雇として明治4年(1871年)に札幌に入り、開拓使の意向により西洋洗濯業に配置換えされた後、明治8年に独立しています。
その後、「堤敬治郎」という人物に商売が譲られ、堤氏は同15年(1882年)、「堤西洋洗濯店」という店を、大通西2丁目(現在の丸井今井大通館入口辺り)で開業し、北海道におけるクリーニング業界の基礎を作りました。
同31年(1898年)、弟の「達太郎」氏が大通西6丁目に「堤支店」を開業し、後に、達太郎氏の直弟子の「大室倉槌」氏が同42年(1909年)店を引継いで「大室洗染所」と改め、現在に至っています。
そしてここが、「堤西洋洗濯店」が存在した、現在の「丸井今井大通館」。
子供の頃から親しんでいる場所に意外な歴史があったということを発見しました。
こういうことも歴史散歩の醍醐味というか、魅力だと思っています。