自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆能登半島地震 山沿いで液状化現象のがけ崩れ住宅倒壊

2024年02月13日 | ⇒ドキュメント回廊

   元旦の能登半島地震では震源地から100㌔以上も離れている金沢市、そして隣接する内灘町でも住宅被害(全半壊・一部破損)が出ている。震度5強だった金沢市ではがけ崩れなどで4247棟、震度5弱だった内灘町では液状化現象などで1469棟に被害が及んでいる(石川県危機管理監室まとめ・2月9日現在)。   

   今回の地震で金沢市内も混乱した。JR金沢駅では改札口が大渋滞となり、コンコース中央部の天井から水がしたたり落ちて構内は一時封鎖された。海沿いに近い県庁舎には津波から避難する大勢の市民が建物に駆け込んだ。初詣でにぎわっていた市内の神社では参拝客が混乱した。市内のマンションでは火災ベルの発報が多発し、エレベーターが止まった。金沢城の石垣の一部が崩落し、兼六園の石灯籠も崩れた。元日の県都金沢は大混乱に陥った。

   そして、金沢大学の近くにある山手の住宅街でがけ崩れがあり、民家4軒が道路ごと崩れ落ちた。断続的に揺れが続いたことから、周辺の32世帯に避難指示を出していた。がけ崩れの現場を再び現場を訪れた。

   現場では、土嚢(どのう)を積むなどの応急工事が行われていた=写真=。避難指示は10日に解除になっていた。崩れ落ちた民家の一部では解体作業が行われていた。現場を眺めているシニアの女性がいた。この付近に40年余り住んでいるという。「このあたりで30年前にも大雨で土砂崩れがあって、2度目なんですよ」と。

   土砂災害に詳しい東京農工大学のチームの現地調査(1月3日)では、1600平方㍍の斜面が崩壊し、全壊した4棟のうち3棟が10㍍から20㍍西へ移動していた。地盤を調べたところ、大きさがほぼ均一の細かい砂地でできていて、斜面に設置された排水管からは地下水が流れ続けていた。このため、地下水を含んだ砂地に地震の揺れが加わったことで地盤が液体状になる液状化現象が起き、崩落したとみられる(1月6日付・NHKニュースWeb版)。

   この記事はたまたまネットで見つけたものだが、上記の女性の言葉と妙に一致している。液状化現象というリスクは内灘町で起きた湖畔の災害だけでなく(1月9日付・ブログ)、山沿いでも起きるのだと理解した。それにしても、30年前の液状化現象によるがけ崩れが教訓として活かされていなかったのだろうか。復旧工事を行ったのは宅地開発業者だったのか、あるいは行政だったのか。市民の一人として疑問の目を向けてしまう。

⇒13日(火)夜・金沢の天気    はれ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ★能登半島地震 東京ドーム2... | トップ | ★能登半島地震 「耐震のDNA」を... »

コメントを投稿

⇒ドキュメント回廊」カテゴリの最新記事