自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★北朝鮮またICBM 日本海で頻発する威嚇争い

2023年03月16日 | ⇒ニュース走査

   日本海側に住む者としてやはりこのニュースは気が気でない。メディア各社の報道によりと、防衛省は、北朝鮮が16日午前7時9分ごろ、首都・平壌近郊からICBM(大陸間弾道ミサイル)1発を東側に向けて発射、70分飛行し、午前8時19分ごろに北海道の渡島大島の西約200㌔のEEZ外側の日本海に落下したと発表した。飛翔距離は約1000㌔、最高高度は約6000㌔を超えると推定される。(※写真は、2022年3月24日に北朝鮮が行ったICBM「火星17型」の発射実験。最高高度は6248㌔に達し、飛翔距離1090㌔、67分32秒飛行した=同25日付・労働新聞Web版)

   高い角度で打ち上げて、飛距離を抑える、いわゆる「ロフテッド軌道」での発射だ。弾頭重量にもよるが、ICBMの角度を低くすれば、飛翔距離は1万4000㌔を超えてアメリカ全土が射程内に入る。北朝鮮は今月13日に始まった米韓の合同軍事演習に強く反発し、軍事的挑発行動を続けている。

   北朝鮮と米韓の威嚇争いが頻発している。北朝鮮は先月18日にもICBM「火星15」を、同じ北海道の西200㌔のEEZ内に落下させている。これに対抗し、米韓は翌19日、戦略爆撃機やステスル戦闘機による合同空中訓練を実施している。これに北朝鮮は反発。金正恩総書記の妹、金与正党副部長は翌20日、国営メディアを通じて発表した談話で「最近、朝鮮半島でアメリカ軍の戦略的な打撃手段の動きが活発になっている」と指摘。「情勢を激化させる狂信者にその代価を支払わせる意志に変わりがないことを今一度確言する」と威嚇した(2月20日付・聯合ニュースWeb版日本語)。

   2月28日には米韓合同訓練では特殊部隊を動員した「チークナイフ(Teak Knife)」、別名「斬首作戦」と呼ばれる北朝鮮の指導部を狙った訓練が行われた。この訓練は1990年代以降で毎年実施されているが、尹錫悦政権の発足後の去年9月に続き、半年で2回実施したことになる。

   アメリカは北朝鮮を悪の枢軸」と位置付ける。朝鮮戦争(1950年6月-53年7月)で、北朝鮮側が国境線といわれた38度線を南下し、韓国に侵攻した。これにアメリカなど国連軍は反撃したが、アメリカ軍は3万6000人にもおよぶ多大な犠牲を払った。朝鮮戦争は現在も休戦状態にあり、一触即発の状況に変わりない。朝鮮戦争にどう決着をつけるか、アメリカにとって、チークナイフはその選択肢の一つなのだろう。挑発の頻度を高める北朝鮮、米韓合同訓練の威嚇争いが日本海で頻発する。

⇒16日(木)午前・金沢の天気     くもり


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