自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆パンデミックの経済リスク

2020年03月22日 | ⇒ニュース走査

   新型コロナウイルスの感染拡大で自らも「巣ごもり」生活が続いている。外出はするが、人混みを避けている。そのような日常の中でささやかな楽しみが花を活けることかもしれない。きょうも玄関に黄色い花のヒュウガミズキと紅色のヤブツバキを飾ってみた=写真=。楚々とした雰囲気のヒュウガミズキと、存在感を示すようなヤブツバキの対称性が玄関という空間を演出してくれている。

   今月15日付のこのブログでも述べたが、この花を見ていて思うことは人の世の無常である。花は毎年変わらず咲くが、人の世は変わってしまう。本来ならば春の訪れを祝うかのように人の心はうららかになり、街も華やいでくる。ところが、人の世は新型コロナウイルスの流行(はや)りで滅入ってしまっている。人々はフェイス・トゥ・フェイスではなく、マスク・トゥ・マスクで対話し、世界は互いに国境を閉ざしている。

   今回のパンデミックで経済リスクが顕在化してきたようだ。日本をはじめ各国の中央銀行が事態がリーマン・ショックのような金融危機につながりかねないとの見方が強めている。ニューズウィーク日本語版(20日付)で、アメリカの中央銀行であるFRBが「通貨スワップ新たに韓国など9つの中銀と締結 新型コロナウイルス流行による混乱緩和へ」との見出しで報じていた。協定を結んだのはオーストラリア、ブラジル、韓国、メキシコ、シンガポール、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、ニュージーランド(NZ)の中銀。規模は総額4500億ドル。協定の期間は少なくとも6ヵ月としている。

   各国の中央銀行が互いに協定を結ぶスワップ協定は、「通貨交換協定」とも呼ばれる。自国の通貨危機が起きた際、自国通貨の預け入れと引き換えに、協定を結んだ相手国の通貨をあらかじめ定めたレートで融通してもらう協定だ。日本とアメリカが結んでいるような無制限、無期限の国家間協定とは違う。

   コロナショックによる経済の変調によって、金融市場での決済外貨ドルが枯渇し、急激な為替変動などが生じれば世界経済全体にさらなるリスクが波及する。FRBと締結した9つの中央銀行はそのリスクの緊急性が高いとの判断したのだろう。コロナショックはまだまだ続くのか。週明けの金融、株式市場が気になる。

⇒22日(日)夜・金沢の天気    はれ


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