自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★能登半島地震 地域再生は可能か~1 朝市の復活

2024年03月25日 | ⇒ドキュメント回廊

  震災から85日。ブログと向き合いながら考えることは能登半島の被災地は再生可能なのか、という一点だ。被災者のみなさんには申し訳のない表現かもしれないが、自身は楽観したり、悲観したりの日々だ。そんな中で、再生・復活の道筋を思い描いてみる。

  今月23日に金沢市金石港で開催された「出張輪島朝市」はとても盛況だった。「活気に満ちた呼び声、オレンジ色のテント、復興に向けて輪島朝市が再スタートを切りました」とテレビ局のリポーターが中継で伝えていた。午前中の4時間の営業で、メディア各社によると1万3千人の来場があった。30ほどの店に、雨の中で順番待ちの客が長蛇の列をなした。店には岩のりやアジやホッケの干物といった、朝市らしい品が並んでいた=写真・上=。

  ただ、帰りの客を見ていると、買った品を入れた袋を携えた人は5人に1人ほどだった。朝市の品を買いたい、買うことで応援したいという気持ちで、雨の中を順番待ちしたのだろう。しかし、店の数も少なく、品数も限られていて、買いたくても買える品がなかったというのが自身も含めて正直な話ではないだろうか。出張朝市は、金沢市に避難した輪島市朝市組合の有志が中心になって企画し、次回はゴールデンウイーク期間中(4月27日-5月6日)に開催されるようだ。話題性だけでなく、店の数を増やし、商品数を増やして「買うてくだ―」のにぎやかな輪島朝市を再現してほしいものだ。

  もう一つ。不謹慎な言い方なのかもしれないが、あの火災で焼失した輪島市河井町の朝市通り=写真・下=に朝市を復活させてはどうだろうか。戦争で焼け野原になった東京ではバラックと呼ばれる仮設店舗が軒を並べ、いわゆる「ヤミ市」が人々の生活物質の流通の場となった。その後次第に店舗化し、銀座などが復活した。朝市こそ、人通りを復活させる起爆剤にならないだろうか。街に人々が行き交う仕組みがあることで市内の再生が進むきっかけとなるのではないか。

⇒25日(月)夜・金沢の天気   くもり


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