寒の入り、二十四節気の一つ「小寒」に入った。父親から昔教わった言葉が「小寒の氷、大寒に解く」だった。小寒の寒さの方が大寒のときよりむしろ寒いと感じるという意味。最初に来る寒さを寒いと感じ、あとは寒さも慣れてくる。北陸で生まれ育って、この肌感覚は実によく分かる。きのう5日、金沢市の寺町を車で通ると、曹洞宗大乗寺の僧が托鉢に回っていた。雪が残る道を素足にわらじを履いての修行は、その姿を見ただけでも寒さを感じた。
天気予報ではあす7日から再び日本海に低気圧が急速に発達し、前回の「年越し寒波」よりも広範囲に日本列島が強烈な寒波に覆われると予想している。積雪見込みは8日12時までで、北陸地方では70-100㌢となっている。
もう一つ襲来するのは「コロナ寒波」だ。新型コロナウイルスの感染が1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)で広がり、あす7日、政府は首都圏で再び緊急事態宣言を発令する方向だと報じられている。期間は1ヵ月程度とする方向で政府が調整している(1月5日付・NHKニュースWeb版)。
ただ、あすからの緊急事態宣言は前回(昨年4月7日から5月31日)と違って、飲食店を通じた感染拡大を徹底的に減らす、いわばワンポイント規制となりそうだ(同)。前回は、人と人との接触を「最低7割、極力8割」減らすという目標のもと、飲食店のほか、ホテルやデパート、映画館、そしてなぜか図書館までが自粛する動きとなった。また、小中高校は休校となり、大学はオンライン授業に。祭りやスポーツなどのイベントは中止や延期が相次いだ。
今回飲食の場での感染リスクの防止にポイントを絞ったのは、経済全体への影響を極力抑えたいとの政府の意向があるのだろう。ただ、飲食ワンポイントでどれだけ効果があるのだろうか。緊急事態宣言によって、飲食店は営業時間が短縮され、▽今月8日から11日までは酒を提供する飲食店などを対象に午後8時までに前倒したうえで、酒の提供は午後7時までとなる。そのうえで、▽今月12日から31日までは酒を提供するしないにかかわらず、すべての飲食店に午後8時までに営業時間を短縮するよう要請する(同)。一時的であるにせよ、新宿や池袋の夜のネオン街は灯が消えることになる。これがモデルとなって、全国に規制が拡大するかもしれない。
ここで一句。「コロナ禍に ネオンも消える 寒の入り」
(※写真は、寒波に見舞われる能登半島の集落=2018年1月27日、輪島市門前町で撮影)
⇒6日(水)朝・金沢の天気 はれ