自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆コロナの新学期 学生たちの危機感

2020年04月22日 | ⇒ニュース走査

          新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、金沢大学ではきのう危機対策本部会議を開き、4月22日から5月6日まで教職員は原則として在宅勤務とした。学生はすでに登学禁止なっており、履修科目のオンライン登録も20日からようやく始まった。講義は基本的には遠隔講義(リモート)となる。教員も慣れないリモート講義に右往左往の状態ではある。

   「大学クラスター」という言葉もあるように、大学から感染者を出さないためにとくに海外からの留学や旅行から帰国した学生、教員には厳格な対応が求められている。大学からのメールを以下引用する。「1.新型コロナウイルスに感染した者との接触があった学生、教職員等の対応 ⇒ 海外への渡航歴がある学生、教職員ならびに新型コロナウイルスに感染した者との濃厚接触歴がある学生、教職員等は全員14日間自宅待機し、健康チェックシートを記入して必ず健康観察を行ってください。自宅待機中に症状が出た場合は新型肺炎に関する電話相談窓口に速やかに電話連絡の上、医療機関を受診してください」

          逆に、この夏休みを利用して海外に短期留学を計画していた学生たちも計画が狂ってしまった。ある学生の話だと、イギリスに夏季留学を計画しその費用を金沢市内の居酒屋でのアルバイト代で賄おうと頑張っていた。ところが、アルバイト先が今月17日から時間短縮となり、「稼げなくなった」とこぼしていた。

   さらに同情すべきは就活に入った学生だろう。政府が今月7日に緊急事態宣言を発令してから、選考活動そのものを一時停止している企業も多い。「売り手市場」だったこれまでとは状況が一変した。別の学生は、3月下旬に東京のIT企業の説明会に参加を申し込んでいたが中止になった。「ひょっとして就職氷河期がまた来るかも」と学生は顔を曇らせた。

   1980年代のバブル経済が崩壊し、大手金融機関などが破綻した1993年から2005年にかけて、有効求人倍率は13年間「1」 を下回った。これが就職氷河期だ。新型コロナウイルスの感染拡大で、またその兆候が見え始めた。厚労省が発表したことし2月の有効求人倍率は1.45倍(昨年同期は1.63倍)だった。経済活動が減速原則することを懸念して、企業の採用意欲が急低下している。今回の「1.45」は緊急事態宣言を発令する前の数字だ。しばらくは下がることはあっても上がることはない。どこまで下がるのか。(※写真は金沢大学の掲示板にあった厚労省のポスター)

⇒22日(水)夜・金沢の天気   あめ時々くもり

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