自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★危機感を煽るCMなのか

2017年06月21日 | ⇒メディア時評
   きのう(20日)の石川県議会本会議で北朝鮮のミサイル攻撃の対応について議員から質問があった。以下、地元メディアからの引用。県の危機管理監は質問に対して、ミサイルが国内に落下する際は、防災行政無線や緊急速報メールで住民に連絡し、▽近くの頑丈な建物や地下へ避難をする▽建物がない場合は物陰に隠れるか地面に伏せて頭を守る▽屋内にいれば窓から離れる、といったことを具体的に述べた。県知事は議会後の取材に対して、年内に能登地方で住民避難訓練を行うことを示唆した(北陸中日新聞)。

   北朝鮮の弾道ミサイルを想定した訓練は日本海側の自治体を中心に実施されている。秋田、山口、山形、新潟、福岡などの県で。来月には富山、長崎でも行われる。国が全国の都道府県に訓練の実施を要請しているとの背景もある。

   さらに、きょうのネットニュースで、北朝鮮情勢の緊迫化を踏まえ、国が弾道ミサイルが発射された際の避難方法を紹介する初めてのテレビCMを23日から放映するという(読売新聞ホームページ)。CMは30秒間で、7月6日までの2週間、東京の民放5局で放送される。CMの内容は、冒頭でミサイルが日本に落下する恐れがある場合に全国瞬時警報システム「Jアラート」で緊急情報が流れることを説明し、頑丈な建物や地下に避難する、建物がない場合は物陰に身を隠すか地面に伏せて頭を守る、屋内の場合は窓から離れるか窓のない部屋に移動する-3種類の避難行動をイラストとナレーションで紹介するという。内容的には県議会の説明とまったく同じだ。

   この時期になぜ国が突飛にテレビCMを流すのかという疑問がわく。素直に解釈すれば、国は非常事態(北朝鮮への斬首作戦の実行など)の情報を事前にアメリカ側から入手して、それに備えているのか、とも受け取れる。うがった見方をすれば、「共謀罪」「加計学園問題」などで内閣支持率が下がっている昨今で、北朝鮮の危機感を国民に示すことで世論を引き締めたいのか、とも読める。いずれにしても、日本海側に住む一人として心が穏やかではない。

⇒21日(水)夜・金沢の天気    あめ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする