新大阪駅に入線する287系くろしお。多客期のため9両編成で運転されている。
4月28日土曜日。オノワニで日本海を撮り終えて、和邇発10時04分の普通で京都まで戻りました。京都で早めの昼飯を駅の立ち食いで取り、新快速で新大阪へと向かいます。新快速は12両編成ですが、混み合っています。やっぱりゴールデンウィーク初日ですね。よく乗っています。途中PF牽引の12系客車とすれ違いました。SL北びわこ号の送り込みでしょうね。撮りに行けば良かった…。高槻を過ぎても席にありつけずそのまま新大阪へ。新 大阪から287系くろしおの試乗を兼ねての和歌山方面遠征へと向かいます。おでかけパスは特急料金を支払えば特急も利用できるので便利です。e5489で指定席を安く仕入れて和歌山までのミニトリップを楽しみます。その前に入線シーンを押さえるために、13番ホーム大阪寄りで折り返し列車の到着を待ちます。くろしお10号は新大阪着11時50分のはずですが、時間になっても現れません。2分ほど遅れて到着。折り返しの11号は12時00分発なので8分ほどしか時間がありません。しかし、欲張って11時54分着のトワイライトも撮影してから11番線へと向かいました。それでも十分に間に合いました。指定席だから芸当とも言えます。自由席だと席確保に焦ってしまうので、こういうことはできません。11番線に着いてもまだ車内清掃が行われていました。11番線は上下はるかが発着したりするので折り返しに余裕がないようですね。一旦ダイヤが乱れると梅田貨物線も単線なので収拾がつかなくなります。梅田駅の設置や地下化、新大阪駅の改良が早期に望まれる所です。この中でなんとか進んでいるのはおおさか東線絡みで新大阪駅改良が行われているだけでしょうか。
車内清掃が終わり、早速車内に入ります。ゴールデンウィークの下りにしては空いています。9両つなげているとはいえ、紀勢特急にとっては稼ぎ時だと思うのですが、昼下がりという時間帯はあまりいい時間帯ではないにしても寂しい限りです。高速道路延伸の影響が大きいのでしょうか。287系は初乗車となるので車内を観察。683系などと似たような感じの車内ですが、荷棚などはキハ187系ほどではないにしろ簡素化されている印象があります。シートはしっかりした造りで、帰りに乗った283系より重厚感があり、リクライニングの角度も大きいように思います。なかなか座り心地は良いのではないでしょうか。さすがにJR西日本を代表するN700系7000番台の指定席には百歩ぐらい譲りそうですが…。車内に入って程なく出発。繰り返しますが、折り返しの時間に余裕がありません。配線上の問題で仕方ありませんが、大阪駅などはもっと早く特急を入線させてもよいような列車もあります。長距離列車の入線はもう少し余裕を持って行って欲しいものです。出来れば折り返しの車内清掃も極力やめて、一旦引き上げ線などに引き上げてそこで車内清掃を行い、再入線して欲しいものです。近鉄特急はほとんどの列車がこの方式を行っています。コストカットばかりでこういったきめ細かなサービスが消えつつあるのは残念です。ホームで列車を前にして乗り込めない利用者の心境をJRはどのように考えているのでしょうかね。利用者第一ではなく株主第一の会社に要求しても仕方のないところでしょうが…。
新大阪を出発して梅田貨物線を並足で走り抜けます。さすがに朝の紀伊田辺行き快速よりは速いですが、速度は抑え気味ですね。旅客線仕様への改良が必要な気がします。福島付近で高架に上がり、西九条まで大阪環状線と並行して走り、西九条の中線を通過して、環状線内回りへと足を進めます。環状線も列車の整理で運転本数が減ったとはいえ、追い抜き設備がないため、特急も快速と同様ゆっくり走ります。大阪の象徴の一つ通天閣を見ながら天王寺へと到着。東京の浅草近辺も下町情緒あふれるところですが、スカイツリーの開業で大きく変貌しようとしています。天王寺近辺のミナミのミナミは通天閣を中心にまだまだ本物の下町情緒しかありません。もっともこちらも近鉄のあべのハルカスの開業を機に変わっていく基調はあります。スカイツリーもいいですが、通天閣というバリバリの日本語の名称の方が良いと思うのは私だけでしょうか。キーステーションの天王寺で利用者を増やして短絡線を経由して阪和線に入ります。増えたと言っても乗車率は50%を切るほど。他 の号車を見てないので乗り具合ははっきりわかりませんが、満席にはなっていないのは周知の事実です。新幹線は盛況でも在来線特急は振るわないというのはこのあたりなんでしょうか。JR西日本は福知山線事故以降特急のスピードアップをはっきり言って行わなくなりましたが、このままだと高速道路にやられるだけなのではないでしょうか。287系も新車とはいえ、線路条件のよくない紀勢線に適した車両にはなっていません。白浜以遠への乗り入れも見送られており、車両が新しくなっただけという感が強いです。私鉄に引導を渡すためにアホみたいにスピードアップし続けていた時代はもはやいりませんが、長距離列車に関しては安全にスピードアップをしていかなければ利用者を減らしていくだけと思います。今後に期待したいものです。天王寺の短絡線で動画を撮影して、ここから先は早朝からの疲れを取るため睡眠タイム。気が付けば山中渓を通過していました。満開の時期に来た山中渓ももはや新緑の季節に移っていました。寒い寒いと言っていたのにもう5月です。早いものです。府県境の峠を越えて、和歌山市内の街並みを見ながら下り坂を下りて行きます。阪和道でも同じですが、和歌山へ入る時の街を見下ろす景色は個人的には好きです。紀ノ川を渡り紀伊中ノ島を通過して、和歌山線と紀勢支線の線路が見えてそれと合流して和歌山に到着。短い287系くろしお11号の旅もここで終わりです。半分以上寝ていたので乗り心地は良いとしか言えませんが、シートピッチも広く中距離列車としては及第点なのではないでしょうか。できれば283系のようなフリースペースがあってもよいように思いますが、今の時代そのような余裕はないでしょう。新宮への乗り入れも将来検討されるのか、あるいは新宮方面へは新型振り子電車が登場となるのか、そのあたりの動向も今後注目していきたいものです。