書名 菅江真澄図絵の旅
著者 石井正己編 出版社 角川書店(角川ソフィア文庫) 出版年 2023
文庫本で、カラーで菅江の旅行記にでてくる図絵を、解説をつけて紹介してくれるという、ありがたい本。図絵を注意深く見ていくと、いままでは気づかなかったことまで、みえてくるから不思議だ。器や民俗などを丁寧に描いていたことは知っていたが、風景を描く中で、自分や同行の者たちも描いていたのにはちょっとびっくりした。この絵を見ていくと、ちょっと悔しい思い出が蘇ってきた。確か鳥潟小三吉のことを追いかけ、大館に行った時、秋田の大館図書館も訪ねた。館長さんがとても親切にしてくれて、ハリスト教会に案内してもらったりしたのだが、図書館でいろいろ資料の話を聞いているなか、そこに所蔵されている菅江の原本をお見せしましょうかという話になった。菅江の書いた旅行記のオリジナルが見れるなんてと興奮したのだが、市の確認をとらないということで、電話してくれたのだが、やはり事前に申請しないといけないということで見れなかった。かたちだけは見せてもらったが、小さくB5版より小さかったのではないかと思う。彼が描き留めた風俗や民俗や自然、風習などはいまどれだけ残っているのだろう、そんなことも気になった。久しぶりに真澄の世界に入ることができた、とても素敵な本だった。
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