デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

ふたり旅

2020-02-18 13:55:16 | 買った本・読んだ本
書名「ふたり旅」
著者 津村節子 出版社 岩波書店 出版年 2008

津村さんの幼少の福井時代から吉村さんが膵臓癌になって手術するまでを丹念に振り返ったエッセイ。津村さんがこれだけご自分の足跡を丁寧に追ったものは他にないのではないか。津村さんと吉村さんの石巻時代のことが知りたくて、読み始めたのだが、石巻時代のことはほとんど触れていなかったのだが、ついつい読みふけってしまった。こんなことを言うと大変失礼になるかもしれないが、吉村さんは津村さんのことが可愛くてしかたがなかったのではないだろうか。作家として何事にも興味をもち、こう決めたら追い続け、そしてそれを書くというのは知り合った頃の大学時代の文芸部で知り、それが愛おしてしかたがなかったのではないかと思う。そして新婚まもないとき、商売に失敗して、山のように抱えてしまったセーターを売る東北・北海道行商の旅についてくるところから、ふたりはまさに「ふたり旅」をすることが宿命ということになったのだろう。吉村さんのことを思う気持ちが自然にあふれてくる、そして吉村さんの津村さんを見つめる柔和な眼差しも見えてくる。まさにタイトル通り「ふたり旅」をたどらせてもらった。
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